責任感を胸に完投 44年ぶり奈良県勢2校8強入り

2021年3月28日09時00分

 【奈良】27日の第93回選抜高校野球大会2回戦で、智弁学園は広島新庄を5―2で下した。智弁学園は、優勝した第88回大会(2016年)以来5年ぶりの準々決勝進出。今大会、奈良県勢は天理も準々決勝進出を決めている。第49回大会(1977年)でも智弁学園、天理が8強入りしており、県勢2校がベスト8に入ったのは44年ぶり。29日の準々決勝では、天理が第1試合で仙台育英(宮城)と、智弁学園が第3試合で明豊(大分)と対戦する。

 智弁学園は1点を追う三回、公式戦初出場の中陳(なかじん)の二塁打をきっかけに垪和(はが)、前川、山下の3連打で3点と逆転。先発・小畠は被安打6、四球2、2失点と好投し、完投勝利を挙げた。

 智弁学園の背番号10が信頼に応え、成長した姿を見せた。

 七回まで被安打3の先発・小畠一心(おばたいっしん)君(3年)は八回、3安打で1点を返された。2死二、三塁。打席には広島新庄の4番だ。

 小畠君は、直前の適時打が二塁手の中陳六斗(なかじんりくと)君の方にいったのが気になっていた。中陳君は公式戦初出場の2年。「打球が飛んだのは自分の責任。この後しっかり打者を抑えよう」。先輩としての責任感を胸に打者へ向かい、最後は投ゴロに打ち取った。

 小畠君が甲子園で先発するのは1年夏の全国選手権大会以来。2本塁打を浴び、3回途中4失点で降板した。「3年生もいる中でふがいない結果だった。3年生の分まで投げるとずっと思っていた」。練習や試合で経験を重ね、走者を背負っても落ち着いて投げられるようになった。

 今大会の1回戦、大阪桐蔭戦は九回に西村王雅(おうが)君(3年)から継投し、抑えた。「いい流れで投げられた」。1試合目の先発は西村君、2試合目は小畠君と、大会1週間ほど前に言い渡されていた。小坂将商監督は2人を「信頼している」と話す。

 「一人じゃここまで来ていない」と小畠君。この冬は西村君を抜くつもりで練習したが、背番号1は西村君に。でも、敵ではない。試合中も打者の待っている球種などについて意見を交わし合う。123球の完投勝利。「チームが勝ったのが一番うれしい」とほほえんだ小畠君。二枚看板を掲げるチームはさらに先を目指す。(米田千佐子)

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