公式戦初打席で決勝ランニングHR 急成長した3年生

2021年3月25日12時23分

 (25日、選抜高校野球 中京大中京2-0専大松戸)

 高校入学後、スポットライトを浴びたことは一度もなかった。中京大中京の背番号15、櫛田理貴(3年)が、公式戦初打席となった甲子園で決勝のランニング2点本塁打を放った。

 途中交代で右翼の守備に入り、迎えた七回の初打席は0―0、2死二塁の場面。「点が入っていなかった。自分のバットで先制点を」。追い込まれたが、真ん中に入ってきた139キロの直球に合わせた。

 打球はライナーで左翼手の前へ。ダイビングキャッチは届かず、ボールはフェンス際まで転がった。50メートル6・4秒の足を必死に動かした。ダイヤモンドを1周し、本塁にダイビングヘッド。「シャー!」。雄たけびが甲子園に響いた。

 柵越えは打ったことがない。165センチと小柄。高校入学後、体を大きくしようと常に何かを食べ、「空腹の時間をつくらないようにした」。お気に入りは母が作ってくれる朝練後のスパゲティとうどん。体重は13キロほど増えた。

 ベンチ入りの当落線上で、昨秋は三塁コーチャーだった。高橋源一郎監督から「コーチャーのままでいいのか、選手でいきたいのか、どっちだ」とたずねられ、「選手です」。その後の実戦で結果を出し、監督がスタメンで起用しようか迷うほどの成長を遂げた。

 「入学してこれまでバットを振り続けてきた。限られたチャンスの1打席でしっかり結果を残そうと思った。素直にうれしいです」 やり遂げた――。心も体も充実感でいっぱいだ。今は無理して何かを口に運ばなくてもいい。(金子智彦)

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