広島新庄 エースが決めた 選抜高校野球

2021年3月24日09時00分

 試合を決めたのはエースの一打だった。第93回選抜高校野球大会に出場した広島新庄は23日、延長戦の末、上田西(長野)を1―0で下して1回戦を突破した。

 先発・花田が八回途中まで6奪三振と好投し、続く秋山も得意の変化球を織り交ぜて被安打2に抑えた。野手陣も無失策で援護した。延長十二回、2死から瀬尾が中前安打で出ると、4番花田が右越え二塁適時打を放ち、勝利を決めた。

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 「ピンチのときほど強気でいこう」。五回表1死、二塁打と内野ゴロで相手が好機をつくり、この日初めて三塁への走者を許した。広島新庄の捕手、北田大翔君(3年)は、すかさず花田侑樹投手(同)の元へ駆け寄り、声をかけた。

 「いつも以上にキレがよかった」という花田君の直球を信じ、後続を中飛に打ち取った。

 八回途中から継投した秋山恭平君(同)は、チェンジアップなどの変化球が得意。「北田が相手打者を見極め、持ち味を生かすリードをしてくれた」

 今大会の出場校で打率トップを誇る上田西を8安打、無失点で抑えた。

 練習中に心がけているのは投手とのコミュニケーション。投球練習のあとには良いところや悪いところを的確に伝える。野球部の寮長も務め、グラウンド内外でチームを引っ張る。

 入部当時は内野手だった北田君が捕手に転向したのは1年秋のこと。肩の強さに自信があった。二つ上の兄、勇翔さん(19)も「捕手が合っている」と背中を押してくれた。「普段から冷静で、ピンチでも焦らない」と兄は弟を評価する。

 兄の後を追って野球を始めた。「小さい頃から一緒にテレビで見た」という甲子園に兄は19年夏、広島商の二塁手として一足先に出場した。コロナで練習がなかった期間、同じく大学の野球部の練習がなかった兄と近所の公園でキャッチボールなどの練習を重ねた。

 この日、寮の部屋で試合を見ていた勇翔さんは、三回裏に安打を放った弟の姿に「自分は甲子園で一度も打てなかったが、やってくれた」と喜んだ。緊迫した試合で堂々と戦う姿に頼もしさも覚えたという。

 「夢の舞台でも、いつもどおり落ち着いてできた」。兄と夢見た「大舞台」で躍動した。(三宅梨紗子)

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