甲子園に響く録音の応援曲 中京大中京・吹奏楽部 愛知

2021年3月23日10時30分

 第93回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟・毎日新聞社主催、朝日新聞社後援)では、アルプス席での吹奏楽部による生演奏の応援がない。事前に準備された音源が、阪神甲子園球場のスピーカーから響いている。

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 開催中の大会の応援風景は、中継映像では普段の甲子園と変わらないように聞こえるが、スタンドで演奏する吹奏楽部員の姿はない。スピーカーを通して球場に流れているのは、事前に収録された曲だ。

 中京大中京は、吹奏楽部が15日に収録した。普段の応援では1選手1曲をはじめ、イニング間や安打、得点時などの場面に応じて30曲以上を準備しているが、今回は10曲が上限だ。

 日本高野連が事前録音の演奏を流すことができると発表したのは12日だった。吹奏楽部の加藤あずみ部長(新3年)は「提出期限までの時間も短かったので、新しい曲へのチャレンジではなく、伝統の曲を野球部に選んでもらいました」。急ピッチで準備した。

 慌ただしさの反面、山崎凛副部長(同)は「球場で演奏できないのは残念だけれど、違う形でも参加できるのはすごくうれしかった」と言う。2人が球場で演奏をしたのは1年生の夏と秋。夏は愛知大会準決勝で野球部が甲子園に出場した誉に1点差で敗れており、甲子園で演奏する機会はなかった。秋は東海大会で優勝し、昨春の選抜大会の出場校に選ばれたが、コロナ禍で大会が中止に。昨夏、甲子園であった選抜出場校による「交流試合」も応援はできなかった。

 コロナの感染症対策のため、音を合わせたのは昨秋以来。久々の合奏だったが、練習も含めて短時間での収録に集中した。

 25日に予定されている専大松戸(千葉)との試合は2人もスタンドにかけつける。ピッコロ担当の加藤部長は「自分が吹いた音も流れるので、それと一緒に応援したい」。サックスの山崎さんは「声援も送れないけれど、音楽でみんなの気持ちが盛り上がってくれたら」と話す。録音した曲を甲子園で聞きながら、自分たちが演奏する姿をイメージして、手拍子で応援する。

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 吹奏楽部が事前演奏した曲に合わせて、チアリーディング部はアルプス席で応援をする。野球応援係の榊原彩乃さん(新3年)は「去年は甲子園での大会がなくなりみんなも悔しい思いをしたので、その悔しさもバネに全体でそろった応援をしたい」。川崎彩音さん(同)も「声を出す応援は出来ないけれど、少しでもみんなに力を届けられように、全員でそろって応援します」と声を弾ませる。

 チア部の加賀愛理主将(同)は「球場で直接演奏ができない吹奏楽部のみんなの思いも背負って、野球部に日本一のエールを届けようと思います」と話した。(上山浩也)

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