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部員5人、廃部寸前から甲子園へ 島に渡ったバッテリー

2021年3月22日18時22分

 (22日、選抜高校野球 福岡大大濠2-1大崎)

 第3日に登場した大崎(長崎)は、九州本土と橋でつながる島にある高校だ。3年前は廃部寸前だったが、島ぐるみの支援と応援を受け、初めて甲子園の土を踏んだ。チームを引っ張るバッテリーは中学以来のコンビで、甲子園の夢を賭けて島にやってきた。

 この日は昨秋の九州大会決勝と同じ相手の福岡大大濠(福岡)戦。試合後半、調(しらべ)祐李(ゆうり)捕手(3年)がミットを構えると、エースの坂本安司(あんじ)投手(3年)がすぐ投げ込み、返球後は間髪入れずにサインを交換した。打者に考える暇を与えないテンポの速い投球は、中学時代から培ってきたスタイルだ。

 坂本投手は「自信を持ってリードしてくれ、一番必要な存在」、調捕手は「表情を見れば、配球を左右する調子もすぐ分かる」。長崎県佐世保市の中学校で軟式の全国大会を経験した2人が、共に進学先に選んだのが大崎だった。

 人口24万人超の佐世保から海を挟んで直線で約20キロ。公立校の大崎は、同県西海市の大島にある。島の人口は約5千人。現在の清水央彦監督が2018年春に着任する前は、部員が5人で廃部寸前だった。

 マウンドもなかった練習場の草刈りから始めたチーム。見学でグラウンドを訪ねた坂本君の目には、当時の部員たちの顔つきが引き締まって見えた。厳しい練習をする姿にひかれ、島に賭けることにした。

 ほぼ全員が隣島にある寮で生活する。かつて炭鉱で栄えた大島では人口減が進む。地域の人々は部員と行き会えば声を掛け、米をはじめ島で採れた野菜、肉、魚を差し入れてきた。部員たちは1人で米を1日7合平らげるので、差し入れも頻繁だ。

 生徒数が100人超と少なく、地元の造船会社のブラスバンドが試合の応援に駆けつけたことも。地域の後押しも受けてチームは力をつけ、昨夏の県独自大会で頂点に立った。

 新チームで臨んだ昨秋の九州大会でも優勝。選抜出場が濃厚になり、寮に届く差し入れの量も増えた。野球部後援会の会員数も800人超まで増えた。

 後援会理事で、造船会社に勤める宮本雄介さん(33)はタオルやパーカ、帽子、マスクといった「大崎グッズ」を19年春から作って応援してきた。この日はスタンドに駆けつけた。「1得点に次への可能性を感じた。満足いく練習ができるようバックアップ態勢を整えたい」

 試合は惜敗。9回で113球を投げ切った坂本投手は「昨日の試合予定が雨で順延になっても島の人たちはたくさん来てくれた。勝って恩返ししたかった。悔しい」。調捕手は「色々支えてもらっている方に勝ちを届けたかった。勝って喜んでもらえるように頑張りたい」と話した。(小川直樹)

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