祖父の電話や兄のバット、家族の支えで甲子園 京都国際

2021年3月16日09時30分

 京都国際(京都市東山区)が甲子園出場をつかんだ背景には、周囲の支えがあった。球児たちは、ともに戦った家族の思いとともに、念願の舞台に立つ。

 山口吟太(ぎんた)主将は、祖父の池元冨夫さん(71)=滋賀県日野町=の助言を支えにチームを率いてきた。寮生活のため、電話をできるのは毎週月曜日だけ。それでも、飾らない一言に、いつも励まされてきた。

 昨年6月。主将に名乗りを上げるかどうか悩んでいた。練習や寮でのできごとを話した後、思い切って尋ねた。「キャプテンになって、おじいちゃんを甲子園に連れて行こうと思っている。どう思う?」

 祖父の答えは明快だった。「やるなら全力で応援する。最後までやり通せ」。数日後、小牧憲継監督に「新チームで主将をさせてください」と直訴した。

 主将になったばかりの秋季大会前。「どうやったら、仲間がついてきてくれるのか」と相談すると、祖父は言った。「まずは人が見ていないところでの努力が大切だ。主将が自信を持たないと仲間も自信を持ってプレーできないぞ」

 池元さんは「吟太が決めたことを、全力で応援しようと考えるようになった」という。電話から、強豪校で主将を務める重責が伝わってくることも。そんな時は「考えすぎるなよ」とエールを送った。甲子園出場が決まると、うれし涙が止まらなかった。「甲子園でも自信を持ってチームを引っ張ってほしい」と願う。

 山口主将は「おじいちゃんの言葉で、気持ちの浮き沈みをなくすように意識してきた。自分のことを信じてプレーしたい」。甲子園で観戦を予定する祖父の前での活躍を誓った。

     ◇

 「甲子園おめでとう」

 上野楓真(ふうま)選手は正月、兄の響平さん(19)から1本の木製バットを託された。京都国際から日本ハムに入った響平さんがプロで使っていたバット。普段、試合で使っているバットよりやや重く「スイング力がつきそう。これがプロのバットか」。チーム練習後、残って素振りを重ねている。

 華麗な守備で球場を沸かせる兄を、幼いころから応援してきた。「大歓声のなか、確実に打球処理する兄が格好よかった」。中学卒業後、兄と同じ京都国際へ進むのに迷いはなかった。送球しやすい位置で捕球するにはどうしたらいいか。そんな疑問も、動画投稿サイトで兄の守備を確認し、実戦に生かしてきた。

 秋の府大会ではベンチ入りしたが、近畿大会では逃した。正月に帰省した兄と語り合い、甲子園への思いが強くなった。「とにかくノックの数を受ける。そうしたら打球への入り方が、身についてくる」。兄と同じ遊撃手のレギュラーをめざし、居残りノックを欠かさない。

 兄からもらった木製バットのおかげで打球が伸びるようになった、という実感がある。「兄でも行けなかった甲子園に立てるチャンス。大事な場面で打って、守れる選手になり、プレーする姿を兄に見せたい」と意気込んでいる。(吉村駿)

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