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創部100年 喜びに沸くOBや地域の夢を背負う

2021年3月9日11時00分

 【静岡】「100年間の先輩の思いが今かなった。そう思うとどしっときた」

 選抜大会出場決定後、伊藤侍玄(じげん)主将(3年)は、春夏通じて初めての甲子園出場に沸く周囲をよそに、緊張気味に話した。学校創立は1919年、21年にできた野球部は、今年創部100年の節目を迎える。

 長い活動の支えとなってきたのがOB会の存在だ。現在、メンバーは20~80代の約650人。応援だけでなく、遠征に使うマイクロバスや練習器具の寄付など物心ともに支えてきた。

 「無名の高校だった三島南が甲子園に出て、全国に知られる」。OB会長を務める諏訪部孝志さん(62)は、後輩たちの快挙に表情を崩す。念願の甲子園出場が決まると、会はすぐに行動を起こした。

 出場決定から1週間後、学校近くの寺に約50人のメンバーが集まった。「がんばれ!三南!みんなで応援しよう!」。大急ぎで用意したポスターを手に、「この日を待っていたんだ」と、その日のうちに、三島市内の商店街や近隣の函南町、伊豆市などに掲示をお願いして回った。

 地元で親しみを込めて「三南」(さんなん)と呼ばれる三島南。特に野球部は子どもたちを集めた野球教室など地域活動に熱心で、地元も甲子園での活躍を心待ちにしている。

 生徒たちが通学に利用する伊豆箱根鉄道は電車に「祝!甲子園初出場」のヘッドマークを付けた。三島大通り商店街は、約700メートルにわたって応援旗を掲げた。近くで中華料理店を営む藤井龍也さん(61)は野球部のOB。「支えてきた人が100年つないで来たたすきのようだ」と誇らしげに旗を見上げた。

 100年目の三島南だが、長く目立った実績を残せないでいた。転機の一つとなったのが、2001年の学校移転だった。グラウンドが広くなり、練習の幅が広がった。工夫した練習や先端技術も積極的に採り入れ、県大会出場も珍しくなくなった。昨秋の県大会では、62年ぶりに準決勝まで進み、今回の出場につながった。

 「昨年はOBや保護者、地域の人に活躍をお見せできなかった」。コロナ禍で練習ができない間、一人でグラウンド整備を続けた稲木恵介監督は、支えてくれた人たちへの恩返しに、甲子園での活躍を誓う。

 思いは選手たちも同じだ。野球を教えてくれた祖父が三島南の野球部主将だった斎藤崇晃君(3年)は「先輩たちの思いも感じながら、夢舞台を楽しみたい」。主砲の前田銀治君(3年)は「OBや地域の人から声をかけてもらえて心強い。プレーで恩返ししたい」と意気込む。

 10年前、OB会は野球部の90年誌「球跡」をまとめた。編集委員だった天良昭彦さん(61)は編集後記に「次回は『甲子園出場』の文字が躍る事を信じて……」とつづった。

 「まさか現実になるなんて」(戸田和敬)

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