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畔柳投手を相手に打席に立つ祖母 生前結んだ3つの約束

2021年4月1日06時50分

 (31日、選抜高校野球 明豊5-4中京大中京)

 準決勝に登場した中京大中京(愛知)の最速151キロ右腕、畔柳(くろやなぎ)亨丞(きょうすけ)投手(3年)には、練習を手伝ってくれた祖母がいた。野球経験がなくても打席に立ち、成長を助けてくれた。亡き祖母と結んだ三つの約束と感謝の思いを胸に、甲子園のマウンドに立ち続けた。

 31日の明豊(大分)戦では2番手で登場。三振を奪い、マウンド上で声を上げた。

 愛知県豊田市出身。小学3年の頃、投手を始めてすぐの試合で、相手打線にめった打ちにされた。悔しくて、父の貴宏さん(49)に「(打席に)ちょっと立ってくれん?」と頼んだ。放課後、近くの野球場でバックネットに向かって投球練習を始めた。

 父が夜勤の日には、祖母の路子さんが練習に付き添ってくれた。路子さんが運転する車で野球場まで向かう。打撃練習ではボールをトスしてくれた。中学校に入学してからは、投球練習で打席に立ってくれるようにもなった。

 走り込みできつくて逃げてしまいそうな時、路子さんは「それで終わっていいの?」と厳しく言った。そんな自主練習は中学3年まで続いた。

 その祖母と、三つの約束をした。「日本代表に入る」「甲子園で優勝」「プロ野球選手になる」

 畔柳投手はU―15(15歳以下)の日本代表に選ばれ、一つ目の約束を果たした。代表の一員としてW杯で投げた直後の2018年の秋、路子さんに大腸がんが見つかった。翌年1月、医者から連絡を受けた父と共に病院に向かった。道すがら、「そんなに悪いの?」と父に尋ねた。貴宏さんは正直に答えた。「これが最後になる」

 病室に入ると、路子さんは麻酔で眠っていた。言葉を交わすことはできなかった。20分ほどそばに付き添った。貴宏さんは、息子が病室の外で涙を流しているのを見た。

 翌日の明け方、路子さんは息を引き取った。ひつぎにU―15日本代表に入ったときのタオルを入れた。一つ目の約束の証しだった。

 進学した中京大中京で、新チームからエースナンバーをつけた。東海大会で優勝し、2年連続32回目の選抜出場を決めた。

 貴宏さんは「きっと甲子園に来るのが目標やったと思うから」と、路子さんの遺影をポーチに入れて甲子園に持ってきた。祖母との約束の二つ目に息子はこの日、届かなかったが、「母は生きていたら『悔いなくやって』と言うでしょうね。夏にまた連れてきてくれることに期待したい」と話した。

 畔柳投手は試合後に言った。「ベスト4におばあちゃんは納得していないと思う。チーム一丸となって夏に向かいたい」(上山浩也、川辺真改、小林太一)

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