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困難だった1年間、球児の貴重な経験に 未来の扉は開く

2021年1月29日21時04分

 第92回選抜高校野球大会の出場32校が決まった昨年1月24日を思い出している。

 46年ぶりの出場が決まった磐城(福島)の主将、岩間涼星は「全力野球で相手にぶつかりたい」と話し、優勝候補と目される中京大中京(愛知)の主将、印出(いんで)太一は「自分たちが新しい歴史を築いていく意識でプレーしたい」と語った。

 すでに新型コロナウイルスの国内感染が確認されていたが、まだ身近な問題にはなっていなかった。

 それから、事態は急速に悪化していく。日本高校野球連盟が公式の場で初めて対応を協議したのは2月19日。横浜港に停泊していたクルーズ船で症状のない乗客の下船が始まった日だ。2月末には政府が2週間の大規模イベント自粛と、小中高校などへの臨時休校を相次いで要請した。

 そして3月11日、大会の中止が決まった。この時点ではまだ夏への希望を口にすることができた。仙台育英(宮城)の主将、田中祥都は「もう一度チームが一つの方向に向けるように、全員と話し合っていきたい」と言った。

 遠い過去の出来事には感じられない。経験したことのない日々の連続だったからだろうか。1年たっても、状況があまり変わっていないせいかもしれない。実際、11都府県に緊急事態宣言が再発出された状態で、今年も選抜大会の出場校が決まる日を迎えた。

 ただ、世の中を覆う重苦しい空気の下で、嘆き、苦しみ、助け合い、ときに笑って前に進んできた日々は、貴重な経験になっているはずだ。出場切符を手にした市和歌山のエース、小園健太は「野球ができない時期もあり、野球がすごく遠くなってしまうような感じがした。目標が目の前に見えてモチベーションも高くなる」と笑顔を見せた。中京大中京の主将、原尚輝は「マスクをしていて思いを伝えられないこともあったが、ミーティングを重ねて一歩ずつ前進できた」と振り返る。

 大会歌「今ありて」(阿久悠作詞)は「今ありて 未来も扉を開く 今ありて 時代も連なり始める」と歌う。

 困難な今を一つずつ乗り越え、球児たちはこの日を迎えた。厳しい状況は続くが、今すべきことは経験から学んでいる。手洗い・うがいなど感染対策を怠らず、3月19日の大会開幕を目指そう。未来の扉は、きっと開く。(編集委員・安藤嘉浩)

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