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関西弁もマスター 高校野球初のドミニカ留学生コンビ

2020年11月21日07時00分

 ■スポーツ好奇心

 高校野球でドミニカ共和国からの留学生? そんな話を野球好きの知人から教えてもらったとき、思わず聞き返してしまった。しかも投手と野手の2人もいるとのこと。どんな選手なのだろうと一気に興味が高まり、その留学生に会いに大阪偕星高へ向かった。

 「もくそーう」。11月中旬の昼過ぎ。大阪府富田林市の高台にある大阪偕星高校のグラウンドに大きな声が響いた。約60人の部員は、左翼線沿いに一列に並んで正座している。主将のかけ声に合わせて目を閉じ、きょうの目標をそれぞれが立てる。練習前の慣習のようだ。

 立ち上がると、「気をつけ」「礼」。足のそろったランニングが始まった。先頭を走るこの声の主こそ、ダビッド・バゥティスタ・モレノ(16)。ドミニカ共和国からやって来た留学生だ。その隣には一緒に来たワーネル・マニュエル・リンコーン・デ・ラ・クルーズ(17)の姿もあった。

 きれいな発音の日本語と礼儀作法。ワーネルの方はどうかと思い、用意してきたスペイン語で「オラ(こんにちは)」と声をかけると、「おつかれさまです」と日本語で会釈された。

 仲間から「ダビ」と「ワナ」と呼ばれる2人は「日本の野球を学びたい」と2018年11月に来日し、19年6月に同校に入学。同国から日本の高校野球部員になる初めてのケースとなった。入部当初はスクイズなど野球のルールもよく知らず、寮生活の決まり事にも苦労して逃げ出しそうになったという。

 それでも、スマホの翻訳アプリを使いながら日本話を勉強した。日本の文化にもなじみ、いまでは、「なんでやねん」「めっちゃしんどい」と関西弁も使いこなす。

 そんな2人の成長は、2015年にチームを甲子園に導いた山本皙(せき)監督(52)も目を見張るほど。「身体能力も高いし、素直。どんどんうまくなっている」。ダビッドを主将に選んだ理由も「率先して動くし、誰よりも日本人らしいというか、まじめに練習をする」からだ。この日も一番最初にグラウンドに出てきて整備をしていた。

 唐揚げと焼き肉が好きなダビッドは、1年で体重が25キロ増え、飛距離が伸びた。身長178センチ、体重92キロの外野手。分厚い胸板と丸太のような腕でチーム一のスイングスピードを誇る。

 7月の独自大会で、代打で公式戦デビューを果たしたが「緊張でがちがち」と見逃し三振に倒れた。新チームでは4番打者を任され、通算本塁打は11本。めざすは「100本塁打」だ。

 一方、恥ずかしがり屋のワーネルは肉よりも魚派。寮の近くにある回転ずし屋のマグロがお気に入りだ。こちらは身長173センチ、体重75キロでしなやかなフォームが特徴の右腕。公式戦の登板経験はないが、入部時に111キロだった直球は、ひじの使い方を学んだら最速141キロまで伸びた。目標を聞くと「160キロ」と即答した。

 留学生コンビのエースと4番で甲子園へ――。高校球界に新しい風を吹き込むかもしれない。

 カリブ海に浮かぶドミニカ共和国は野球が盛んで、13年の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した。現在もメジャーリーグで多くの選手が活躍している。

 8人きょうだいの長男ダビッドと、7人きょうだいの4番目ワーネル。ともに日本で力をつけた後に、大きな夢を抱く。「メジャーリーガーになって家族を喜ばせたい」。肩を組み、大きな瞳を輝かせた。(山口裕起)

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