スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

甲子園めざして変身・工夫 公立校率いる監督の指導法

2020年11月15日08時00分

 変身する覚悟はあるか――。高校野球の秋季九州大会で、長崎の離島にある大崎が初優勝した。3年前まで部員不足で廃部寸前だった野球部は、2018年春の清水央彦監督(49)の就任を機に生まれ変わった。1年半で県大会を制し、2年半で九州王者に。背景には選手、監督自身の意識改革があった。

 「西の果てから本気で日本一をめざすなら、2回くらい人間を変身させる必要があるんです」。清水監督に指導方針を尋ねると、真剣な表情でそう返ってきた。そして、冒頭の言葉を選手に投げかけているという。

 清水監督は清峰(長崎)のコーチとして06年の選抜大会準優勝、後に部長も務めた。佐世保実の監督として12、13年夏の甲子園に出場したが、同年秋に発覚した部内暴力を学校へ虚偽報告したとして謹慎処分を受けた。

 16年に処分が解け、「野球を通した町おこし」を託されて西海市職員として大崎に来た。「誠実に野球と向き合おうと気持ちを新たにした」。自戒も込めた「変身」だった。

 清水監督の指導を希望する県内の生徒が集まり、今では全校生徒の約4割を占める部員47人ほぼ全員が寮生活を送る。練習は厳しい。退部したり、反抗したりする選手もいたが「徹底しないと勝てない」と妥協はなかった。

 思いは伝わる。準決勝の明豊(大分)戦で延長十二回にサヨナラ二塁打を放った乙内翔はチーム一の「やんちゃ坊主」。素行が悪かったこともあり、力はあるのに背番号12で出ていた。「悔しくて見返したくて、大会前は今までで一番バットを振った。なにか変われた気がします」

 この秋、多くの個性的な監督に出会った。

 兵庫県大会で準優勝した東播磨の福村順一監督(48)は走塁に力を入れる。コロナ禍で休校中は盗塁の注意点をまとめた動画を作って選手に配信した。練習ではスタートの姿勢やリードの足の運びなど細部まで指示が飛ぶ。

 自身は学生時代走塁が不得意だった。「だから苦手な選手の気持ちもわかる。強豪校に勝つには真っ向勝負では厳しい」。近畿大会は1回戦で惜敗したが、五回の先取点は1死二、三塁から遊ゴロの間に好走塁で奪った。前進守備を敷かれたが、バットを振りだした時に走者がスタート。高い技術が詰まっていた。

 就任11年目でチームを初の東北大会準優勝に導いた柴田(宮城)の平塚誠監督(48)の指導も印象的だった。ノックではわずかなミスも見逃さない。ミスをした原因を追究し、選手が答えるまで次の1球は打たない。

 「試合を想定して、根拠を持たせてプレーさせています」。東北大会1試合平均の失策は一つ以下。堅守が光った。

 公立校で練習環境は限られるが、3人の日焼けした顔から熱意を込めた指導ぶりが伝わってきた。一冬を越えてチームはどう進化するのか。春が待ち遠しい。(山口裕起)

新着ニュース

アクセスランキング

注目動画

一覧へ