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会見で示したプロで生きる道 智弁和歌山、監督の親心

2020年10月28日17時00分

 元プロ監督の「親心」が印象的だった。

 26日にあったプロ野球ドラフト会議で、智弁和歌山からはエースの小林樹斗が広島に、主将で遊撃手の細川凌平が日本ハムにともに4位で指名された。

 最初に記者会見に出たのは152キロ右腕の小林。「素直にうれしいです」。その第一声は小さく、表情は硬い。4巡目まで待っていた時間を問われ、「長かったです」とぽつり。

 隣では、中谷仁監督(41)が微笑を浮かべていた。「小林への期待を」と水を向けられ、少しおどけた感じで語り始めた。「気の利いたコメントもできないし、林先輩の名前も出さない。そこも含めてプロの指導者に鍛えていただければ」。“林先輩”とは、2年前に広島にドラフト3位で入団した林晃汰(19)のこと。

 この「ダメ出し」に報道陣からどっと笑いが起き、会場の雰囲気が温まり始めた。

 小林の緊張もほぐれてきた。直球への自信を問われ、「数字、球速のこだわりをなくして、本当に勝つことに集中したい」と言った。

 ここでも監督は、すかさずフォローした。「投手は勝つためにゼロに抑えるという教育をしたので、かたくなにそれを守っているのだと思います」

 そして、続けた。「本人も球速へのこだわりをもっているので、日本人最速、160キロを超えるような直球を投げられる投手になってほしいです」

 同校OBでもある中谷監督は1997年秋、捕手としてドラフト1位で阪神から指名された。主力ではなかったが、楽天、巨人を経て15年間プロで生き抜いた。

 その経験を踏まえ、プロでは自分だけの「武器」が必要だと、後輩であり教え子の彼らに改めて示したのだろう。

 続いて行われた細川の会見。監督は、中学時代に細川が三塁打を打った姿を見て、そのベースランニングのスピードが「プロ野球選手並みだった。ひとめぼれした」と、走力を強調した。

 小林は会見後に明かした。「監督に救ってもらいました。会見中は頭が真っ白。何を言ったか覚えていないです」。ただ、恩師が語ってくれた目指すべき道筋は、きっと役に立つだろう。(小俣勇貴)

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