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高校野球、公立勢が躍進 理由は自粛期間の過ごし方?

2020年10月13日16時00分

 この秋、高校野球で公立校の躍進が目立っている。17日から京都で始まる秋季近畿大会は出場16校のうち、乙訓(京都)、山田(大阪)、東播磨(兵庫)、長田(同)、市和歌山、和歌山東と6校が公立勢だ。昨秋は明石商(兵庫)だけ。恵まれない練習環境のなか、創意工夫を凝らして勝ち上がってきた。

 「絶対に勝つぞと臨んだけれど、本当に勝ったなんて信じられない」。今月4日の大阪府大会3位決定戦。2―1で履正社に勝った山田の主将・尾崎紀昭は驚きを隠せなかった。吹田市にある「普通の公立校」は次々に強豪私学を破り、最後は昨夏の甲子園王者に逆転勝ち。大阪の公立校として1994年の市岡以来、26年ぶりに秋季近畿大会出場を決めた。

 部員31人のほとんどが地元中学の軟式野球部出身で、グラウンドは七つの部で共用。狭くて内野ノックすらできない日もあるが、「その分、割り切って練習しているから苦ではない」と尾崎は言う。新チームになってから練習メニューは選手だけで作成。休みたい時は金子恭平監督(41)に申し出て、強制的な丸刈りもやめた。

 そんな柔軟な発想が試合でも生きた。打撃も型にはまらず、相手投手に合わせてフォームを変える。準決勝、3位決定戦では速球に振り遅れないよう、ほぼ全員がグリップをベルトの位置まで低くした状態で構えた。金子監督は言う。「実力が上の相手に普通にやっていては勝てない。僕は助言をするだけで、一人ひとりが考えてできるようになった」

 今年はコロナ禍で一斉休校となり、部活ができない期間があった。その間にチーム力を高めたのが、秋の兵庫県大会で準優勝した東播磨だ。

 過去に同じ公立の加古川北を2回甲子園に導いた福村順一監督(48)は「直接指導できないこの期間に、今まで以上に深く野球を伝えることができた」と振り返る。4月上旬、副部長とともに走塁、守備、打撃の注意点をまとめた1本3分ほどの動画を作って選手に配信し、公園や空き地で実践するよう指示した。黒板を使った野球の座学も動画サイトを使って配信し、「ありとあらゆることができた。活動自粛中の過ごし方の差が秋に表れたのかもしれない」。

 1日2時間半ほどしかない普段の練習も時間を有効に使う。昼休みに打撃練習の準備をしておき、放課後は校舎からグラウンドまでのダッシュがウォーミングアップの代わり。10分後には打撃練習が始まる。32人の部員は5、6班に分かれて同時に複数のメニューをこなし、主将の原正宗は「短い時間だからこそ、1球1球に集中してやれている」と胸を張る。

 今年で創立100年。兵庫3位で70年ぶりに近畿大会出場を決めた長田は、県内屈指の進学校だ。2016年には21世紀枠で選抜大会に出場した。

 こちらも練習時間は1日2~3時間。放課後に校庭のグラウンドが自由に使えるのは内野の部分だけ。そのため内外野の連係プレーは昼休みに確認する。全体練習後に自主練習をする選手もいれば、塾に向かう選手も。「自分で考えて行動する」が信条だ。

 06年から母校を指導する永井伸哉監督(48)は今季の日程がチームの追い風になったとみる。

 夏の独自大会が例年の地方大会よりもずれ込んで8月上旬まで開催されたため、「全体的に新チーム作りが遅れた印象がある」。長田も事情は同じだが前向きにとらえた。練習は、実戦で見つかった課題を克服する時間に充てた。「県大会では相手が先にミスをしてこちらが勝てた。例年よりやりこんでいない強豪校に対して、公立校が互角に戦えた」

 チーム作りが遅れたことは、私学の甲子園常連校の監督も認める。「8、9月の練習試合で経験を積ませることができなかった。公立校には負けられないという重圧もかかる」。来春の選抜に向け、近畿の一般選考の出場枠は6校。再び、「公立旋風」は起こるか。(山口裕起、大坂尚子)

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