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中止に涙の女子マネ、球児のために並べた100枚の写真

2020年8月23日10時00分

 甲子園球場の電光掲示板に「102」の数字が浮かぶ。開智未来(埼玉)の野球部マネジャー・鈴木里奈さん(3年)が、第102回全国高校野球選手権大会の中止を受けて作製したモザイクアートだ。約100枚の写真を並べてできた画像は、全国のマネジャーの思いを代弁するつもりで作り上げた。

 中止が決定した5月20日の翌朝、泣きながら伊東悠太監督に電話をかけた。「みんなに何かをしてあげたいんです」。考えがまとまらないまま、動き出した。「私たちマネジャーも悔しかったし、特別な夏を選手と一緒に戦いたかった」

 他校のマネジャーと相談を重ね、モザイクアートにメッセージを込めることにした。伊東監督の協力を得て、全国の十数校から野球部の写真を集め、約100枚の素材を何度も重ねて使った。

 「102」の数字を入れるデザインには最もこだわった。「102回目の甲子園を目指してきたことを残しておきたかったので」。使用した写真は様々だ。グラウンドでの練習風景、ミーティングの様子、部員同士がふざけ合う姿――。「マネジャーが見てきた風景を残したくて選びました」。休校中に1人で作業を進めた。パソコンでの作業は日付をまたぐこともあった。約10日間かけて完成させた。

 さらに、協力校のマネジャーから球児へのエール動画を集めて画像とともに部のSNSアカウントで発信することも決めた。「どこのマネジャーも同じ気持ちだと思う。全国の球児の励みになれば」

 6月上旬、完成した画像を見た主将の大和田樹(3年)は奮い立った。「102回という数字を見て、自分たちの野球はまだ終わってないと思えた。モチベーションを支える大きな存在になりました」

 8月11日、迎えた埼玉独自大会。初戦で敗れたが、試合後、伊東監督からねぎらいの言葉をもらった。「この状況下で自ら動き、最後までやりきってくれた鈴木を尊敬する」。選手一人ひとりが握手を求めてくると、涙が止まらなかった。

 「私の思いは伝わっていた。最後はひとつになれた気がしました」。選手とともに戦い抜いた。その証しとして、画像は大切にとっておく。

     ◇

 新型コロナウイルスによって、甲子園や全国制覇という目標を失った2020年の夏。球児も指導者もマネジャーも、悩みながら集大成の形を探し続けた。その努力は誰かに伝わったはずだ。(小俣勇貴)

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