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独自大会V、胴上げされた記録員 智弁和歌山で初の裏方

2020年8月16日13時54分

 甲子園高校野球交流試合で、智弁和歌山は17日、尽誠学園(香川)と対戦する。3年生にとって最後の公式戦。耳のけがを経て裏方に回った立花裕也君(3年)は記録員として、夢の舞台のベンチで部員とともに戦う。

 6日にあった県高野連の独自大会決勝。優勝を果たし、表彰式が終わった後、智弁和歌山の選手たちは、立花君を胴上げした。細川凌平主将(3年)は「立花にサポートしてもらってここまで来られた。感謝の思いで胴上げした」。

 立花君も、入学したときは投手として甲子園を目指していた。だが入学後の5月、練習中にボールが右耳にあたり、鼓膜が破れた。「チームに置いていかれたくない」と自然に治るのを待ったが、約1年後、帰宅途中にトラックの風が右耳にあたった後にめまいで倒れかけた。耳鳴りもやまず、6月に鼓膜を再建する手術を受けた。

 練習に復帰できたのは2年の秋。「支えてくれた両親にプレーで恩返しがしたい」と励んだが、感じたのは、ひと夏越えた同期との力の差だった。

 今後どうすればいいのか悩み、今年3月、中谷仁監督に相談した。監督は、自身がプロ時代に控えや2軍でプレーした経験から「メンバーになることだけが輝ける場所ではない。サポート役だってチームとして重要」と伝えた。

 手術後、練習に参加できずに球拾いなどの裏方をしていたときに、先輩から「ありがとう」と言われうれしかったことを思い出した。選手のときは「自分が貢献できているのか」といつも不安だったが、「そういう道もあるんだ」と思えた。監督に選手をやめて裏方に徹することを告げた。

 コロナ禍で自主練習が続く中、立花君は、選手のアップのメニュー作りや練習前の準備、打撃投手など選手の練習相手を率先してやってきた。中谷監督は「選手の時とは違う表情になっていた。楽しそうで、輝いて見えた」と語る。

 監督によると、同校でサポート役に徹した部員は記憶にないという。同期の12人で背番号をもらわなかったのは立花君ひとり。だが、県の独自大会で優勝が決まった後、監督から「タチ、ありがとな」と言われ、背番号はなくてもチームに貢献できているという実感がわいたという。

 独自大会に続いて交流試合でも記録員としてベンチに入る立花君。「みんなの一球一球を最後まで書き残して、勝って終わりたい」と、メンバーとともに最後も勝利を目指す。(西岡矩毅)

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