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中京大中京の前田、引っ込めた拳 杉原千畝に習った姿勢

2020年8月12日17時00分

 (12日、2020年甲子園高校野球交流試合、中京大中京4―3智弁学園)

 勝者と敗者がすぐにでも入れ替わってしまう延長タイブレークで、決して得意ではない走塁で勝利をつかみとった。

 十回表に、右翼で守備から途中出場した中京大中京の前田識人(しきと)(3年)。二塁走者としてダイヤモンドに立った十回裏だった。相手の守備が乱れて無死満塁に。自身は三塁に進んだ。次の打者の打球が前進守備の二塁手の後方に上がり、動きが止まらない二塁手の足元を見て、体重を本塁側にかけた。落球。無我夢中で走って本塁に滑り込み、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。

 憧れの人がいる。外交官として第2次世界大戦中にナチスの迫害を受けるユダヤ人に「命のビザ」を発給した杉原千畝。「困っている人がいたら助ける」という精神で下した英断で約6千人の命を救ったとされるエピソードに「こんな人になりたい」と、心をつかまれた。

 高校野球の集大成とも言える最後の公式戦で、その時はやってきた。50メートル走は6秒6と周りに比べて足が遅く、「走塁は得意ではない」。それでもチームの勝利が「自分の足にかかっている」と覚悟を決めて走り、公式戦無敗を誇る現チームの有終の美を飾った。

 サヨナラのホームを踏むのは、人生初。勝利の瞬間、喜びを爆発させたい気持ちがよぎった。でも、我慢した。目の前では智弁学園の選手たちが肩を落としている。あふれる気持ちをぐっとのみ込み、作りかけたガッツポーズを引っ込めた。あこがれの杉原千畝のように、相手の立場をおもんぱかった。(高岡佐也子)

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