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「何でベンチ入ってないの?」 有望視された球児の奮起

2020年8月11日20時11分

 (11日、甲子園交流試合 明豊4-2県岐阜商)

■明豊・山田昭太外野手

 ビュン、ビュンと空気を切り裂く素振りの音以外、何も耳には入らない。きっかり10分間、全体練習後の寮でバットを振る。明豊の山田昭太外野手(3年)にとって、2年半積み上げてきた時間がそのまま、自分の支えだ。

 1年生だった2018年秋の大分県大会。緊張で足が震えた初打席、マウンドにはプロ注目右腕の大分商・川瀬がいた。フルカウントから振り抜いた打球は、右翼ポール際で跳ねた。

 県大会決勝ではフライを追ってフェンスに直撃し、前歯が2本折れた。歯の神経だけ抜いてもらい、本格的な治療を後回しにして出場した九州大会で準優勝。19年の選抜大会は背番号8番を付けた。「頑張りなさい」。両親は泣いて喜んでくれた。

 選抜では、2回戦の札幌大谷戦に6番中堅手で先発出場。二塁打も放ち、大分勢として43年ぶりの4強入りに貢献した。自信も実績も、欠かせない戦力になった自負もあった。

 しかし暗転、選抜後はどん底を味わった。結果を出せず、ベンチ入りメンバーから外れた。布施、狭間、小川……。力のある同級生が外野陣を形成するようになった。背番号のないユニホームで球場にいたとき、他校の友達から言われた一言は今も忘れない。「何でベンチ入ってないの?」

 奮い立たされた。「ここから再スタートや」。1本、また1本。10分、また10分。日々の積み重ね以外に、はい上がる道はない。

 支えてくれた両親の存在、甲子園での充実感、その後に味わった悔しさ。その一つ一つが原動力になった。

 最後の甲子園には18番で戻ってきた。層の厚いチームだからこそ、この番号を手にして思う。「毎日の積み重ねがなかったら、この番号までたどり着けなかったな」。2桁の番号は「勝ち取った」ものだ。

 四回、代打に送られ、1年4カ月ぶりに甲子園に響く自身の名前を聞きながら打席に向かった。八回裏に退くまで3回打席に立ち、無安打。でも今日の8スイングに悔いはない。「思い切りやれた」。達成感とともに、18番のユニホームを脱ぐ。(河野光汰、大坂尚子)

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