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亡くなる日もキャッチボール 写真の弟、ともに甲子園へ

2020年8月11日13時39分

 (11日、甲子園交流大会 平田―創成館)

 平田(島根)の高橋大樹(だいき)選手(3年)は、試合の時にいつも、6歳で亡くなった弟の憲史(けんし)君の写真をベンチに置いている。一緒に戦っている気になるからだ。グラブケースに入れた写真に触れてから、グラウンドに駆け出す。

 4歳違いの憲史君は野球が好きだった。高橋選手は毎朝のように、憲史君が庭で壁当てをする音で目を覚ました。一緒に野球をしようと、鍋のふたをたたいて起こしてきたこともある。キャッチボールでも、小学1年生とは思えない力強い球を投げた。「きっと自分よりうまくなったはず」

 高橋選手が小学5年だった2013年8月8日。その日も朝からいつものように、憲史君とボールを投げ合い、バッティングをしてから家族と近くの海に向かった。

 憲史君と2人で泳いでいると、いつの間にか離岸流で沖に流されていた。離すまいと手を握ったが、大きな波が2人を襲った。高橋選手は父・淳さん(44)と近くにいた高校生に助けられたが、憲史君は帰らぬ人となった。

 高橋選手はふさぎ込み、水への恐怖から、しばらくは湯船につかることもできなかった。時間を経るごとに「弟の分まで野球をする」という思いが、高橋選手を前に向かせた。亡くなった朝にたまたま撮ったキャッチャー姿の憲史君の写真を、高橋選手はいまもスマートフォンの待ち受けにしている。

 今年1月、21世紀枠での選抜大会出場決定を伝えられたときも、真っ先に弟の姿を思い浮かべた。甲子園は、憲史君とテレビにかじりつくように観戦した夢の舞台だ。「憲史はいいプレーが出ると、『すげー!』と心から興奮していた」

 春夏の甲子園中止を経て、交流試合という形で憧れのグラウンドに11日、ついにたどり着いた。「憲史や、当時の弟と同じ年頃の子どもたちも、きっと見てくれているはず。今度は自分のプレーで『おー、すげー!』って言われたいです」と話す。(清水優志)

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