佐久長聖、長野独自大会で優勝 3年生全員がベンチ入り
(10日、長野独自大会決勝 佐久長聖9-0飯山)
3年生52人で勝ち取った優勝だった。
「本当に、3年生全員で勝った優勝です」。2年ぶりに長野の頂点に立った佐久長聖の藤原弘介監督の目は真っ赤だった。
甲子園への道が閉ざされた5月。一部の3年生が野球から離れ、勉強に専念した。この日、5番に座った楠悠磨もその1人。秋の大会では背番号8だったが、監督と相談し、「甲子園がなくなって、1度、目標を大学進学に切り替えた」。野球の練習はせず、自習室に通った。
藤原監督は、そんな3年生全員に、改めて声をかけた。7月のミーティングで、独自大会は3年生で戦う方針を発表。試合ごとに20人のメンバーや背番号も入れ替え、準決勝までに全52人がベンチ入りした。
「今年だからできる、特別な戦い方」と藤原監督。昨夏の甲子園も経験した飯山のエース右腕、常田に10安打を浴びせたこの日の「レギュラー」たちは、泣きながら喜んだ。藤原太郎主将は「52人で戦って、仲間の大切さを改めて感じました」。(照屋健)