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「KKコンビ」有終のサヨナラV 涙を流して抱擁した夏

2020年8月9日16時07分

 1983年から85年にかけ、PL学園(大阪)は春夏の甲子園に5回出場し、エースの桑田真澄(元巨人)は通算20勝をあげ、4番の清原和博(同)は13本塁打を放った。高校野球史上最強とも言われる「KKコンビ」がサヨナラ勝利で有終の美を飾ったのが、宇部商(山口)を返り討ちにした決勝戦だ。

 2人の注目度を一気に高めたのは83年夏の甲子園。前年夏、同年春と優勝している池田(徳島)と準決勝で対戦し、7―0で快勝した。1年生の桑田が「やまびこ打線」を完封し、本塁打まで放つ。決勝では1年生4番の清原が本塁打を打ち込んで頂点に立った。

 2人は優勝インタビューで「5回全部優勝したい」と語り、「KKコンビ」の時代が幕を開けた。ところが翌年は春夏とも準優勝、3年春は準決勝敗退と頂点に届かない。「最後の夏に日本一にならないと、ぼくらの3年間の意味がなくなる」。強い覚悟を持って臨んだ夏だった。

 初戦の2回戦は東海大山形から32安打で29得点。記録ずくめの大勝で好発進すると、3回戦は桑田が津久見(大分)を完封する。準々決勝、準決勝は清原のバットだ。まず高知商の中山裕章(元中日)から推定飛距離144メートルの特大本塁打を放つ。甲西(滋賀)戦では2打席連続本塁打。

 最後の挑戦者となった宇部商は、選抜大会でも2回戦で対戦し、2―6で敗れている。さらに6月に遠征試合を組んだが、開始早々に雨で中止となった。PLの中村順司監督が「せっかくだから交流しなさい」と選手をうながし、清原が世話役を買って出た。

 宇部商の選手は合宿所に案内され、エース左腕の田上昌徳は清原の部屋でたわいもない話をした。クラスメートに頼まれたサインも、清原が号令をかけて全員に書かせてくれた。

 「だから、PLと再び戦うのは運命やったと思う」と田上は言う。「抑えるとか打たれるとかじゃない。清原と対戦することがステータスだった」。しかし、田上はそのどちらも経験できなかった。準々決勝から調子を落とし、先発には背番号「11」の古谷(ふるたに)友宏が初起用されたからだ。「セオリーじゃ勝てん」と玉国光男監督は考えたという。

 古谷の決め球は内角シュート。四回、その決め球を清原が「ゴキッ」という打球音とともに左翼ラッキーゾーンにたたき込んだ。さらに六回、今度はバックスクリーン左へ特大の一発を放り込む。「恐ろしい。甲子園は清原のためにあるのか」。朝日放送・植草貞夫アナウンサーの実況とともに記憶される一打だ。

 そして3―3で迎えた九回裏、2死二塁から3番を打つ主将の松山秀明(現ソフトバンクコーチ)が右中間を抜き、PL学園はサヨナラ勝利で優勝を決めた。

 本塁上にできた歓喜の輪に殊勲の松山が加わると、次打者の清原がバットを高く掲げて泣いていた。「おれがヒーローなのに、あいつが一番目立ちよった。最後までそうやった」。桑田と清原は、互いをねぎらうように抱擁した。=敬称略(編集委員・安藤嘉浩)

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