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東京)高校野球 8月6日

2020年8月7日03時00分

 2020年夏季東西東京都高校野球大会(都高校野球連盟主催、日本高野連、朝日新聞社後援)は6日、大田スタジアムで東大会の準決勝2試合があり、決勝は第1シードの帝京と第4シードの関東第一の顔合わせになった。帝京は終盤に逆転し、ノーシードから勝ち上がった東亜学園を破った。関東第一は着実に加点し、大森学園に快勝した。決勝は8日。7日はダイワハウススタジアム八王子で、西大会の決勝が行われる。

     ◇

 敗戦後、大森学園のエース工藤翔午(しょうま)(3年)に和泉隆監督が声をかけた。「ありがとう」。工藤は、言葉を返せなかった。

 昨年の春季大会。2年生でベンチ入りした工藤の投球を末期がんの母が、車いすから応援し続けてくれた。「10」の背番号をユニホームに縫ってくれた母は数日後、息を引き取った。工藤は「必ずエースナンバーを背負う」と誓い、背番号10をひつぎに入れた。

 再び10番だった昨夏の5回戦、信じられない敗戦を喫した。九回2死から逆転サヨナラ。新チームとなった昨秋、和泉監督から「一番悔しい思いをし、一番勝ちたいと思っている者がチームの先頭に立て」と主将を託された。

 でも、背番号は3。和泉監督は「母との約束を果たして満足して欲しくなかった。もう一つ上の投手に育てたかった」と振り返る。

 しかし、コロナ禍で春も夏も大会が中止に。「あいつに『1』を渡せなかったら、どうすればいいんだ」。監督も苦しむ中で、夏の独自大会の開催が決まった。

 エースナンバーを背負った工藤は、今大会屈指の好投手として注目された。18年前に母が自分を産んでくれた4日、準々決勝で強豪・二松学舎大付に競り勝った。「勝ったよ、お母さん」。仏前に、そう報告した。だが決勝の舞台は遠かった。

 今季で勇退する和泉監督にとっても、最後の試合だった。「ありがとう」と言われても、工藤は「申し訳ないだけで……」。握られた手を握り返すのが、精いっぱいだった。(抜井規泰)

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