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熊本)育成功労賞に玉名高定時制教頭の坂本道彦さん

2020年8月7日09時00分

 高校野球の発展と育成に尽くした指導者を日本高校野球連盟と朝日新聞社が表彰する「育成功労賞」に、旧多良木高校などで監督や部長として計27年間、野球指導に携わった坂本道彦さん(54)が選ばれた。

 高校時代は旧多良木高校で技巧派投手として活躍した。最後の夏の大会で2回戦で敗れたとき、高校野球の指導者を目指そうと決めた。投手としての精神的成長を支えてくれた、当時の監督への憧れからだった。

 日本体育大に進学し、将来を見据え、練習の幅を広げるために両打ち・両投げを体得。1989年に熊本県教委の教員に採用された。

 荒尾高校(現・岱志高校)の監督だった20代後半の秋、1年生の女子生徒が野球部への入部を届け出た。マネジャーではなく、部員としてだった。

 生徒が主将を務めていたソフトボール部は部員不足で十分に練習できない状況だった。野球道具は女子には重いこと、練習も厳しいことなどを伝え、保護者を交えた話し合いも重ねたが、「野球をやりたい」という彼女の意志は変わらなかった。坂本さんは思いを尊重し、初の女子部員を受け入れることにした。

 練習姿勢はまじめ一筋で、男子と同じメニューをこなす。坂本さんも男子部員と同じように接した。規定で公式戦には出場できないが、県高野連や相手校に頼み込み、練習試合には数回出ることができた。

 しかし身長は160センチに満たないほどで、男子との体格差は大きく、1本も安打を打てない。坂本さんは「なんとか打点をつけさせたい」と考え、スクイズの場面で彼女を打席に送った。1球目で見事に決め、三塁走者が生還。湧く観衆に囲まれて、彼女は大喜びした。坂本さんの目から涙があふれた。部員として輝く姿がうれしかった。

 99年からは約10年間、母校の旧多良木高校で監督を務めた。春の城南大会での優勝も経験した。投手には「後ろを信じろ」と説いてきた。自身の高校時代を振り返ると、三振で抑えることしか頭になく、「1球ではアウトをとれない」と思い込んでいた。周りを信じることが団結力、ひいては勝利につながると教えた。

 指導者生活の傍ら積極的に取り組んできたのが、小学生へのティーボールの普及活動だ。投手が投げる代わりに、台の上に置いた柔らかいボールを打つ競技。同校の野球部員と放課後、地域の小学校に赴いて指導し、人吉・球磨地域でティーボール大会を催すなど、野球の裾野を広げる活動を続けてきた。野球部に入部した生徒から「ティーボールをきっかけに野球を始めました」と言われることもたびたびあった。

 現在は玉名高校定時制の教頭職にあるため、野球指導に深く関わることはできないが、また監督に就ければ、「地域に育てられた子どもたちと甲子園を目指したい」と語る。野球への情熱は冷めない。(井岡諒)

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