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亡き母に誓った「夏は打つ」 遺影が見守る最後の打席

2020年8月6日15時57分

 (5日、千葉独自大会 敬愛学園5-2磯辺)

 2―5で迎えた八回表1死二、三塁。磯辺の3番打者、鵜沢達弥君(3年)が打席に入った。初戦は人生初の2打席連続本塁打。再び本塁打が出れば、同点に追いつく好機だ。

 初球。高めの直球を振り抜くと、打球は右中間に高々と舞い上がった。「入れ!」。念じながら一塁へ走った。中堅手と右翼手が後方へ猛ダッシュする。フェンスまで2、3メートル。中堅手が倒れ込みながら伸ばしたグラブに打球は収まった。中飛。天を仰ぎベンチへと戻った。

 この夏にかける思いは、人一倍だった。昨年11月27日。母の香織さんが劇症型心筋炎で息を引き取った。48歳。突然だった。亡くなる直前の病室で、意識のない母の手を握り、呼びかけた。「夏は絶対打つ。だから、だからお母さん……」

 亡くなる直前の昨夏。新チームになって大きく調子を落とし、「自分がいるとチームに迷惑。もうやめたい」と母に相談した。「夏の活躍が見たいなあ」。母の一言で、退部を踏みとどまった。

 「夏は打つ」。その母との約束を果たすため、練習後に必ず筋トレをした。通算本塁打数はいつのまにか2桁に。松本徳浩監督にも「好機では必ず打ってくれる」と信頼された。

 迎えた最後の夏。初戦のホームランボールは帰宅後、母の仏壇に置いた。「お母さんが打たせてくれたよ。ありがとう」

 この日の2回戦。相手は実力校の敬愛学園。相手右腕の直球に押され、3打席目までは外野の定位置までの飛球、最後の4打席目もフェンスに届かなかった。

 試合後。母の遺影とともにスタンドに駆けつけた父の慎二さん(52)と会うと、我慢していた涙があふれ出した。「両親のおかげで好きな野球を思いっきりやれた。2人のために、立派な大人になります」(福冨旅史)

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