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「甲子園なくても…」 個性派まとめた主将、優勝に涙

2020年8月5日16時43分

 (4日、島根独自大会 益田東10-5立正大淞南)

 5点リードの九回表2死一塁。飛球が益田東の中堅手、白木絢大(あやと)主将(3年)のグラブに吸い込まれると、球場が歓声に沸いた。どうやって捕ったかも覚えていないが、マウンドに駆け寄る仲間たちを見て「自分たちが優勝したんだ」と、涙がこぼれた。

 大きなプレッシャーも感じていた。八回裏2死一、二塁の好機に、打順が回ってきた。この日、先発野手で唯一無安打だった。「全員で打たしたろう」とベンチからはひときわ大きく声援が飛んだ。結果は死球だったが、「みんなに支えられてるなって、めっちゃ泣きそうだった」。

 主将としての1年は、チームのまとめ役として苦労の連続だった。3年生は、大庭敏文監督が「アニマル軍団」と命名する個性派ぞろい。白木主将も「言うことも聞かないむちゃくちゃなやつらです」と笑うほど。

 特に、甲子園中止が決まった5月下旬、野球への取り組み方をめぐって大きな溝が生じた。自暴自棄になり、チームの決めごとを守らない3年生も続出。「甲子園がなくなり、崩れた部員もいた。諦める気持ちも分かる」。それでも、「このまま終わってはいけない」と繰り返し仲間を鼓舞し、時に叱責(しっせき)した。

 47人の3年生だけで挑んだ夏。独自大会が始まり、次の戦いへと駒を進めるうち、勝利への渇望が再びチームを一つにした。松江東との3回戦では背番号36の成田光輝君(3年)が代打で、二塁打。「変わらず練習に取り組んでいた成田だけに、みんなうれしかった」。仲間のプレー一つ一つに思いがあふれた。

 この試合を最後に野球引退を決めている。「甲子園がなくても、こんな3年生と監督に会えた。益田東に来て、この学年でキャプテンができて、本当によかった」(清水優志)

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