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平和を願い続けた戦後最初のバッター 黒田脩さんを悼む

2020年9月1日08時00分

 終戦の翌1946年夏に開催された第28回全国中等学校優勝野球大会(現在の全国高校野球選手権大会)の開幕試合で、最初に打席に立った黒田脩さんが8月31日、91歳で亡くなった。歴史を語り継ぎ、自宅に近い阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で球児を見守り続けた人だった。

 「クロ、1番で行くでえ」と監督から告げられたのは試合当日の朝だという。京都二中(鳥羽高が継承校)の4年生だった黒田さんは京津大会では下位や2番だったので、「むちゃくちゃやなあ」と思った。復活大会の会場は西宮球場。観客のシャツで白く染まったスタンドを見て急に体がこわばった。四球で出塁したが、「バットを振ったかどうかも覚えてません」と後に苦笑した。

 翌年春に戦後初めて甲子園球場で開催された選抜大会にも出場している。「練習の時はデコボコやったグラウンドが、試合になるときれいに整備されとるでしょ。感動しました」。京都二中は1915年夏の第1回大会優勝校でもある。そのメンバーから指導を受けた経験もある黒田さんは、見聞きした当時の様子も語り継いでくれた。

 89歳で迎えた第100回大会(2018年)まで、球場に足を運んだ。「何か起きれば、また高校野球ができなくなる。平和を守らんといけません」と願っていた。コロナ禍で今夏の大会中止が決まった5月、電話で話を聞いた。「寂しいねえ。私たちにとって、野球ができるのは夢でした。その時と同じ気持ちでしょう」。今の球児を気遣っていた。(編集委員・安藤嘉浩)

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