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「夏将軍」監督が問いかけた18歳の夏 手を挙げた主将

2020年7月31日16時30分

 5月23日昼。松山商業高校(愛媛県松山市)の寮の食堂に、3年生の野球部員15人が集まった。大野康哉監督(48)が、したためてきたメッセージを静かに読み上げた。

 「今度ばかりは自分で考え、決断してほしい。この18歳の夏をどういう夏にしたいのか」

 3日前、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、全国高校野球選手権大会とすべての地方大会の中止が発表されていた。

 夏の全国制覇5回。「夏将軍」の異名をとる伝統校の監督として迎える最初の夏。部員たちとともにめざすはずだった夢の舞台が、消えてしまった。

 代わりに県高校野球連盟が、「3年生のために」と独自の大会開催を検討していた。甲子園にはつながっていない。それでも野球を続けるかどうか。部員の意思を確認したかった。

 多くの人たちがコロナ禍に苦しみ、多くの人たちが対応にあたっている。「戦っているのは自分たちだけではない。もう一度挑戦しなくていいのか。戦う姿を見せたい人はいないのか」

    ◇

 監督の言葉に、主将の国沢彪馬(ひゅうま)君(3年)が手を挙げた。「白石に選手として戦うチャンスを与えてほしい」――。

 新型コロナの影響で3月から臨時休校が続いた。部活動ができない日々。国沢主将は「孤独」を感じていたという。素振り、動画を見ながらのトレーニング。一人の練習が続き、支え合ってきた仲間の存在のありがたみが身にしみた。

 2年の時に選手からマネジャーになった白石聖悟君(3年)の顔が浮かんだ。部室の片付けや用具の手入れを献身的にやってくれる同級生だ。「野球ができるようになったら3年生全員でグラウンドを駆け回りたい」。そう思っていた。

 「白石を選手に」という国沢主将の提案に、ほかの3年生も同意の声を上げた。いつも通り夏まで。3年生が全員そろって野球を続けることを決意した。

    ◇

 白石君も選手として練習に加わることになった。グラウンドに出るのは久々。とまどうこともあるが、弱音は吐かない。

 これまで、マネジャーの仕事に一生懸命だった。「選手たちが気持ちよくプレーできるよう」に心がけた。悩んでいる選手がいると、「技術的なことは言えないけれど」と声をかけ、じっくり話を聞いた。

 部活動休止中もグラウンド整備の道具を持ち帰って手入れした。みんなが練習できない。それだけが心配だった。だから、みんなが「選手に戻れ」と言ってくれたことに驚いた。同時に自分を思ってくれる仲間の気持ちがうれしかった。

 今大会、背番号「22」で選手登録された白石君。「この夏は懸命に大きな声を出す。みんなの気持ちを盛り上げたい」

 国沢主将は言う。「1人も欠けていない。全員で戦うのがとてもうれしい」。3年生たちの意気込みに応えるように、大野監督も闘志を燃やしている。

 「全力で勝ちにこだわる。甲子園がある、いつもの夏と同じように」(天野光一)

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