スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

「プロ目指す」甲子園中止決定の翌日、宣言したエース 

2020年7月31日16時45分

 7月12日、雨が降りしきる悠久山球場。中越(新潟)のエース、佐藤旦有夢(あゆむ)(3年)が、183センチの長身から投げ下ろした球は、大きな音をたててキャッチャーミットに収まった。

 18日に開幕した県高野連の独自大会を目前に控えた練習試合。二回で雨天中止になるまで、佐藤はストレート勝負にこだわった。「高校卒業後はプロに行きたい」という強い決意がそうさせた。

 高校入学時は遊撃手。肩の強さを見込まれ2年の春に投手に転向した。目標としたのが、当時3年のエース・菅井道(るうと)。左腕から繰り出す速球でチームを救い、部員の信頼も厚かった。

 夏の新潟大会は惜しくも準々決勝で敗退したが、引退後も菅井はプロを目指し学校で練習を続けていた。その姿に佐藤は「自分も高いレベルで挑戦してみたい」。プロを目指すきっかけになった。

 甲子園に出場できれば、スカウトの目にとまるチャンスも増える。最後の1年にかけていた。

 しかし、3月にコロナ禍で部活動が休止に。学校近くで寮生活をしていた佐藤も新潟市江南区の自宅に戻った。これまで通り朝6時に起き、スタミナ維持と足腰強化のため片道30分のランニングを自らに課した。行き先はハードオフ・エコスタジアム新潟。

 1年生の時、ベンチで優勝の瞬間を見守った夏の新潟大会の舞台。あのときの熱狂とは全く違う、静寂に包まれていた。「今年もこの舞台に立つんだ」という気持ちは揺るがなかった。授業の課題などを終えると筋力トレーニング。体幹を鍛えることを意識し、逆立ちしながらの腕立て伏せなど、格闘家が取り組んでいた練習も動画で見て取り入れた。

 5月20日、選手権大会の中止を知らされ、何とも言えない脱力感に襲われた。「今まで必死に目指してきたものが簡単になくなってしまったようだった」。その日のうちに、地元の大学で野球を続ける菅井からLINEが届いた。「切り替えてやるしかない」。短くも力強い言葉だった。大会の先にある目標に気づかされた。佐藤は翌日には早速学校の室内練習場でボールを握った。「プロを目指します」。集まった報道陣にきっぱり言った。

 休止中の自宅でのトレーニングでフォームが安定。球速は以前の138キロから大幅に上がった。7月の練習試合では最速145キロを記録した。

 1年生の時、レギュラーとして甲子園の舞台を経験した主将の広瀬航大(3年)。二塁手として佐藤の背中を見ながら、球速の変化以外にも佐藤の頼もしさを感じる。「ピンチの時に自分から崩れてしまうメンタルが課題だったが、塁に走者をためても動じなくなった。いまは心配していない」と話す。

 佐藤も「うちの打撃陣は強力ですよ。投げていて思います」とチームを信頼する。「だからこそ自分もしっかり抑えてチームに貢献したい。まずは大会。プロへの道はその先にある」

 この大会は未来につながっている。そう信じ、この夏のマウンドに上がる。(谷瞳兒)

こんな特集も

関連記事

アクセスランキング

注目動画

一覧へ
バーチャル高校野球ではアンケートを実施しています

本日の甲子園交流試合

注目の情報