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父も目指した甲子園、消えた夢に涙 前を向く近江マネ

2020年8月2日09時45分

 甲子園のベンチで、スコアを書く――。

 それが、近江(滋賀)のマネジャー角田(すみだ)美空(みく)さん(3年)のあこがれだった。夢の実現は、コロナ禍で突然、消えた。

 実は、父・慶弘さん(43)にも、あと一歩で甲子園を逃した経験があった。

 長浜(現長浜北)の3年生だった1994年。選手権滋賀大会で決勝まで進んだが、近江に敗退し、準優勝。二塁手だった。

 そんなこともあり、美空さんは小さい頃から高校野球が好きだった。甲子園や県大会に何度も行った。

 中でも近江に魅了された。秋の県大会、1球ごとに三塁コーチが大声で指示を送る姿に感動した。

 「プレーしていない人に目を奪われたのは初めて。近江でマネジャーをやりたい」

 しかし、両親に言い出しづらかった。近江は、かつて父が決勝で敗れた相手。「私立はお金もかかるし、公立高校かな」と考えていた。

 両親は気付いていた。中学3年の進路を話し合う三者面談で、母が、教師に自分の気持ちを代弁してくれた。

 隠していたつもりだったので、驚いた。父も「近江で甲子園に行って」と後押ししてくれた。

 念願の近江に入学し、野球部のマネジャーに。チームは2年連続で甲子園出場を果たした。でもスコアラーとしてベンチ入りするのは3年生だけ。過去2年はアルプス席から応援した。強豪校を次々に破る快進撃や、ツーランスクイズでの信じられない敗退を目にした。「甲子園は、特別なことが起こる球場」。自分もベンチで経験したい……との思いを募らせていた。

 そこへ、選手権大会は中止の知らせ。

 「覚悟はできていた。絶対、泣かない」

 そう思っていた。

 「甲子園に連れて行ってやれずごめんな」。3年生の選手からLINEが来ると、涙があふれた。

 「久しぶり」

 登校再開初日、落ち込んでいると思っていた選手から、声をかけられた。みんなの元気な姿を見て、前を向こうと思った。

 下級生が明るく活動できるよう、以前にも増して笑顔を心がけている。「大変なのは3年生だけじゃない」と思う。

 甲子園の夢は、下級生のマネジャー11人に託す。書きためた監督の指示のメモをみんなに渡し、学んだ全てを伝えている。

 「コロナで可哀想な世代なんて誰にも言わせない。楽しんで、輝く姿を見せたい」

 最後まで、笑顔で駆け抜けるつもりだ。(安藤仙一朗)

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