スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

滋賀)秋に崩壊危機のチーム 団結の証しはノックバット

2020年7月11日09時00分

 ■大津商 選手と監督 対立乗り越え

 練習試合は、半年ぶりだった。6月20日、大津市の堅田高校グラウンド。

 白いバットの快音が響く。試合前、ノックの球を追う大津商の選手たちの表情は、明るい。

 田中正春監督(56)が振る木製バットは新品だ。崩壊の危機からよみがえったチーム団結の証しとして、3年生から贈られた。

     ◇

 今年、創部98年。昨秋生まれた新チームは、下級生の時から試合経験がある選手が多く、「能力が高い」(田中監督)はずだった。実際、練習試合は勝率6割を超え、秋の県大会で上位を目標に据えた。

 が、まさかの2回戦敗退。下級生バッテリーの先発で挑んだが初回に2点を許し、何度も好機を逃し、1点差を覆せなかった。

 「敗戦は自分の責任」。田中監督は進退について3年生にアンケートした。結果は、「辞めて欲しい」。半数ほどがそう答えた。

 そのころ選手たちも対立し練習で口をきかなくなっていた。士気が下がり、練習試合は19点差で敗れた。

 部長の仲立ちで、3年生全員と監督が個別に話すことになった。長い選手で1時間以上、全員と話し終えるまで4日かかった。

 4番を打つ雪永直矢君(3年)は「勘違いしている部分があった。お互いに勝利という目標は同じ、と確認できた」。監督の続投を望んでいた堤伸之助主将(3年)は「試合に負けるのは選手の責任。人任せの選手が多かった」と振り返る。

 「甲子園を目指す」

 監督、選手が同じ目標を向いた冬、チームは変わった。

 「練習中、『疲れた』という選手がいなくなった。大声で真剣に練習する今のチームが好きです」

 マネジャーの中居あみるさん(3年)は、そう言ってはにかんだ。

     ◇

 そんな時、コロナ禍に見舞われた。休校中、3年生でひそかに計画したのが、田中監督への誕生日(5月1日)プレゼント。ノック用の白いバットだった。

 堤主将が発案し、みんなで小遣いを出し合った。6月2日、休校後初めての登校日。昼休み、監督に中庭まで来てもらった。

 田中監督は「驚いた。うれしかった」。

 秋の対立の際、退部を考えた副主将の横井川利也君(3年)は「監督は誰一人見放さなかった。甲子園はなくなったけど、またチームが一つになれるよう、バットはその証し」と話した。

 独自大会で、3年生は19人全員がベンチ入りする。堤主将は「3年生は監督に迷惑をかけた。感謝の気持ちで一試合ずつ戦う」。

 贈ったバットの色と同じ白星を、重ねる覚悟だ。(安藤仙一朗)

こんな特集も

関連記事

アクセスランキング

注目動画

一覧へ
バーチャル高校野球ではアンケートを実施しています

本日の甲子園交流試合

注目の情報