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広島)肉差し入れ、除雪……町ぐるみで支える広島新庄

2020年7月11日09時00分

 「OB会から夕食にお肉をいただいています」。練習後、広島新庄(北広島町)の宇多村聡監督から告げられると、選手たちは顔を見合わせた。8日、独自大会開幕を前に元気を蓄えてもらおうと、野球部OB会がステーキを差し入れた。

 島根県との県境にほど近い地に1909(明治42)年、新庄女学校が設立された。「農村の女子にも高度な教育を」と地元有志らが尽力して誕生した学校が、広島新庄の前身だ。以来、地元の人たちが通い、見守り、支えてきた。

 野球部創部は1928(昭和3)年。活動休止や軟式野球部の創部を経て1972年に硬式が復活した。強くはなかったが、練習試合や大会があると住民たちが応援に駆けつけた。

 転機は2007年。「野球部を強くしたい」と考えた当時の校長に誘われ、広島商を2度甲子園に導いた迫田守昭さんが監督に就いた。このころ、後援会が発足。2014年春の選抜で甲子園初出場を果たし、15、16年の夏にも甲子園で躍動し町を盛り上げた。

 「町民みんなの学校」と評するのは、OB会の多田博雄さん(64)だ。硬式野球部が復活したときの野球部員。当時から近所の人は我が子のように見守り、応援にも来てくれたという。「こんだけ強くなるとはね。今、新庄って言ったらみんなわかってくれる」

 地元建設会社「栗栖建設」の専務栗栖太さん(64)は74年卒業。野球部出身ではないが、息子が野球部に所属したことから応援するようになった。「町の学校じゃけ、みんな息子みたいなもんよ」

 栗栖さんは、グラウンドの土が足りなくなれば補充し、冬場に雪が積もれば練習場への道に除雪車を出す。森に囲まれた練習場に飛び込んだ打球を取りに行くのは危ないと、9日には木々に網をかけた。「もちろん無償よ。一人でこそこそするのが楽しいんよね。礼はいらん。勝ってくれるのが礼じゃけえ」と笑う。

 8日のステーキの振る舞いは、甲子園に初出場したころからの恒例だ。OB会が、選手全員に国産牛のステーキ200グラムずつを地元の精肉店から仕入れた。練習終わりにもりもりとほおばる姿に、OB会長の上村幸吉さん(64)は目を細める。左腕の秋山恭平君(2年)は「さっき夕食に肉と聞いてうれしかった。おいしかった」と満足そうな笑顔だ。

 主将の下志音君(3年)は、試合の応援だけでなく、日ごろから「頑張れ」と声をかけてくれる近所の人たちを「みんな自分のおじいちゃん、おばあちゃん」という。山口県出身の下君にとって北広島町は「第2の故郷」。無観客の試合だが「テレビを通して全力疾走のプレーを見せて元気を与えたい」と誓う。(成田愛恵)

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