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鶴岡東、スタッフも奮闘 「甲子園でチームを勝たせる」

2020年7月11日17時02分

 先月下旬、日が暮れ始めた鶴岡東(山形)のグラウンド。

 「司、電気をつけて」

 スタッフの吉沢司さん(3年)は手早くスイッチを操作し、ナイター照明を点灯させた。

 鶴岡東では、選手のサポート役を務める部員をスタッフと呼ぶ。現在6人。その中で吉沢さんはスタッフ歴1年近くと最も長い。

     ◇

 3月11日、吉沢さんは下宿先の自室で見ていたスマホで、センバツ中止の発表を知った。「選手たちはどう思っているのだろうか」。自身の悔しさより、仲間たちが気になった。

 スタッフ転向は、昨夏の山形大会優勝直後。ひじのけがに加え、周囲のレベルの高さに限界を感じ、「こいつらのためにできることをやりたい」と申し出た。

 その後の甲子園大会では、夜遅くまでスコアを読み込んで対戦相手を研究。昨秋の新チーム発足後はデータ分析に加え、ティーバッティングのトスやタイム計測など選手の練習補助を引き受けてきた。

 常に心がけるのは「客観的な視点」。自分のことで精いっぱいになりがちな選手に、外から感じたことを助言するようにしている。

 選手時代、キャッチボール相手だった菅原陸来(りく)投手(3年)は昨年の秋季大会にベンチ入りできなかった。だが、吉沢さんは、冬場の練習で菅原投手の球のキレやコントロールが増しているのを見抜き、「センバツのメンバーに入れる」と励まし続けた。

 センバツ中止の発表後、佐藤俊監督(48)は登録予定だったメンバーを発表。そこには菅原投手の名前もあった。「あいつがいてくれたから」と菅原投手は吉沢さんに感謝する。

     ◇

 五十嵐健悟さん(3年)は昨秋からスタッフになった。けがに悩まされて「選手ではない形で役立ちたい」と志願。ノッカーを務めた後、選手たちに「ありがとう」と言われることにやりがいを感じている。

 センバツ中止発表後、常に笑顔でチームを引っ張ってきた打線の主軸、馬場和輝選手(3年)の落ち込んだ様子が気になった。負けず嫌いな性格を思って、こんな言葉をかけた。

 「夏に勝とう」

 言葉はチーム内に浸透。新たな目標として、次第にほかの選手たちも口にするようになった。

     ◇

 だが5月20日、夏の甲子園大会と山形大会も中止が決まった。またもや甲子園への道が閉ざされ、選手たちは落ち込んだ。一方、スタッフたちは悔しさを胸にしまって、黙々と練習の補助にあたっていた。そんな姿を見ていた佐藤監督は「一喜一憂せずに頑張ってくれていた」と振り返る。

 その後、県高野連は独自に夏の県大会開催を決定。さらには、センバツに出場するはずだった32校による甲子園での交流試合実施も決まり、チームは再び前を向き始めた。吉沢さんと五十嵐さんは口をそろえる。「甲子園でチームを勝たせるため、できることを精いっぱいやりたい」。甲子園で仲間たちと笑いながら最後の夏を終えるつもりだ。(鷲田智憲)

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