スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

長崎)頑張り支えた「甲子園」という目標 太田投手

2020年7月6日09時00分

 6月上旬、長崎南(長崎市)の投手、太田優樹(3年)はグラウンド端のブルペンで投げ込みを続けていた。2年から公式戦登板を重ねるチームの柱。直球や変化球を織り交ぜて1球1球、思い切って投じる。

 グラウンドには、野球部のほか、サッカーやラグビー、陸上の各部がひしめき合う。1日のうち少なくとも1回は、サッカーボールなどが転がり込んできて練習中断を余儀なくされる。「正直、リズムが崩されてうっとうしいですよ」と太田は笑う。

 練習環境の厳しいこのグラウンドも、甲子園へとつながっている――。2年から公式戦で登板を重ねる太田は、そんな思いで練習を重ねてきた。

 5年前から監督を務める浜村良美(73)は、海星の選手として1963、64年の夏、智弁和歌山(和歌山)の前監督、高嶋仁らとともに甲子園の土を踏んだ経験がある。大勢の観客、長崎では見たことのなかったスライダー――。50年以上経った今でも、あの記憶は忘れることができない。甲子園の魅力を、太田ら長崎南の教え子たちにも伝えてきた。

 太田は、身近な原体験もある。2016年夏、兄の幸汰郎(20)が所属していた長崎商の甲子園出場だ。家族で応援に行き、スタンドから声援を送った。

 太田を支えるのは、兄や監督から聞いてきた、あの舞台へのあこがれだ。「どんな環境でも、甲子園に行けるチャンスが全くないわけではない。1%でも可能性があるなら、上を狙う」と、その舞台に立つ自身をイメージしながら、自らを奮い立たせてきた。浜村は「結果はどうであれ、一生懸命に目指す過程に意味がある。十分な環境がないなら、他より何十倍も努力せんば」と話す。

 だが、その目指してきた甲子園がなくなった。全国高校野球選手権大会の中止が決まった5月20日、太田はそれを他の部員から聞かされたが、悔しさを打ち消すように、全体練習や自主練習をいつも通りした。だが、翌21日、浜村の口から中止を伝えられると、大粒の涙があふれた。「監督から聞くまで、信じたくなかった」

 同22日には、独自の県大会開催が発表された。「この状況で本当にやるの」と最初は思った。甲子園にはつながらないが、県内で覇を競い、3年間の成果を問える舞台。昨秋以降、練習の成果を発揮する場を設けてもらっただけで十分だった。

 甲子園はなくても、優勝を目指す気持ちは変わらない。冬の走り込みで直球のキレも増し、開幕に向けて調子は上向いている。

 「結果を出せばグラウンドが広くなるかもしれないんで」と副産物にも期待し、開幕までの期間、練習に励む。=敬称略

こんな特集も

関連記事

アクセスランキング

注目動画

一覧へ
バーチャル高校野球ではアンケートを実施しています

本日の甲子園交流試合

注目の情報