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無観客だからこそ配球研究いかが? カリスマ研究者

2020年6月27日10時00分

 プロ野球が無観客試合で開幕し、夏の高校野球も各地で独自大会が始まる。野球ファンは当面、テレビなど映像観戦をしいられる。そんな異例のシーズンだからこそ、「野球の理解を深める機会にしてほしい」と願う野球界のカリスマ研究者がいる。

■ソフトバンク・工藤監督と研究をともにした元高校球児

 筑波大体育系准教授で硬式野球部監督の川村卓(たかし)さん(50)は野球選手の打撃や投球フォームを三次元で分析する運動動作解析の第一人者だ。これまで同氏を慕ったソフトバンクの工藤公康監督ら多くの元プロ選手と一緒に研究をした実績をもつ。

 川村さんはこのほど、「次の一球は? 野球脳を鍛える配球問題集」(辰巳出版、1100円、税別)を執筆した。打者を打ち取るにはどんなコース、どんな球種を使うのが有効かを解説している。

 当初のターゲットは高校生以上の野球選手だった。だが、今シーズンは無観客試合が続き、中継でじっくり観戦する人が増える。配球の妙を読み解いたこの本は、お茶の間観戦の参考になるのではと期待する。川村さんは「今まで応援して喜んでいたファンも、配球を学んで新たな楽しみ方ができるのでは」と話す。

 北海道出身の川村さんが野球研究に進んだきっかけは、高校時代にあった。札幌開成高校では主将。当時の監督はおおまかな方針を選手に与え、選手たちが自主的に練習法や戦い方を考えていた。

■後の沢村賞投手の配球クセ見抜き、初打席初安打

 川村さんは野村克也さんの著書を買いあさって、野球を深く考えることに没頭した。配球も野村さんの著書で学んだ。

 そうして1988年夏、公立校がつかんだ同校初の甲子園。初戦の相手が津久見(大分)に決まった。ビデオで研究した対戦投手は、後にプロ野球ヤクルトで沢村賞を獲得した右腕の川崎憲次郎投手。大会一の好投手と言われていた。

 川村さんはビデオで川崎投手を研究した様子を懐かしそうに語る。「北海道では見たこともない投手。これは無理だ、とみんな寝ちゃって」。それでも制球力の良い川崎投手が、投げるコースによってプレートの位置を踏み分けていることに気づいた。

 一塁側を踏めば、対角線上の右打者の内角を攻める。試合前の投球練習では100球近くも投げ込むことも知った。

 1番打者だった川村さんは、「球数を投げさせて、四球でもよいと思っていた」。しかし初球。プレート位置から内角に来ると察知。分析した通りに来た内角の直球をおもわず振ると、安打になった。

 この後、先取点となる生還を果たした。終わってみれば、得点はこの1点だけで敗れたが、「筑波大でも後にプロ入りした投手と対戦したけど、川崎投手がいちばん」と語る姿はほこらしげだ。

■故・野村克也監督の論理的戦法を次代の野球人に

 「野村さんの教えである『弱者の戦法』を、力がないチームでも勝てると励みにしてきた」。甲子園出場という貴重な経験を積み、もっと野球を論理的に学びたいと筑波大に進んだ。卒業後はオホーツク沿岸の浜頓別高校での指導者を経て、筑波大に戻った。

 指導者と研究者として野球にかかわるいま、子どもの野球人口の減少が気がかりだ。「野球を選んでくれた貴重な人材を大事に育てたい」。野球の本を執筆しているのにはそんな思いも込めている。(能田英二)

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