スポブルアプリをダウンロードしよう

  • Sportsbull Android App
  • Sportsbull iOs App

すべて無料のスポーツニュース&動画アプリの決定版!

QRコードを読み込んでダウンロード

Sportsbull QRCode

大阪桐蔭・仙台育英、甲子園中止に思う 「次元が違う」

2020年5月22日06時45分

シェア

 パソコンやスマートフォンの画面に次々と顔が並ぶ。20日、第102回全国高校野球選手権大会の中止発表から4時間後の午後8時。仙台育英のオンラインミーティングが始まった。4月13日の休校以来、毎日欠かさず続けてきた。

 出場を決めていた春の選抜も中止になった。新型コロナウイルス感染が終息していない現状では、夏も危ういと部員たちで共有してきた。それでも、やりきれない思いがあふれ出した。

 「日本一になりたくて、この高校に入った。それができず、悔しく、つらい。自分たちの分までと言うと重荷になるかもしれないが、後輩たちはそのくらいの覚悟を持って頑張ってほしい」。学生コーチの菅野友雅(3年)は訴えた。

 全国に約3800の硬式野球部がある。「甲子園へ」。出場だけでなく、本気で頂点を狙うチームもある。今年の仙台育英は、その一つだった。初めて東北へ深紅の大優勝旗をもたらす。就任3年目の須江航監督は「1000日計画」を掲げ、1年目は走塁、2年目は打撃とテーマを決めて鍛えていった。

 今年は球速140キロ超の複数投手を擁し、攻守に充実していた。「100年閉ざされていた扉を開く。そう思っていた」。何より須江監督には、3年生への強い思い入れがあった。

 部員の不祥事で前監督が辞任し、2018年1月、系列中学の監督から転じた。「中学からだと6年間。高校からの生徒は不祥事がありながらも入学してくれた。この子たちにかける思いは、非常に大きかった」。部活を締めくくる場を自らの手で作ろうと、他校へ呼びかけて試合を計画している。

 大阪桐蔭の西谷浩一監督も中止発表後、寮で約1時間、言葉を絞り出した。「これまでの努力は無駄ではない。5月20日で、努力をやめてしまうのはもったいない。少し時間をかけてもいいから、前に進もう」。3年生は静かに耳を傾けた。

 1年生の夏は「最強世代」と呼ばれた先輩が春夏連覇。2年時は甲子園の土を踏めなかった。頂点を見た後に敗北を味わった。悔しさを原動力に、昨秋は近畿2位。今春の選抜大会にも出場が決まっていた。

 全国屈指の右打者となった西野力矢(3年)は1年夏、ボールボーイとして全国制覇を見届けた。「いち高校野球ファンみたいな感じで、旗を持たせてもらった。野球をやっていて一番と言っていいくらいの経験でした」。その大旗の重みを後輩に伝える機会を失った。

 西谷監督は報徳学園(兵庫)3年のとき、不祥事で夏の兵庫大会に出られなかった。「今回は次元が違う。僕は『苦い経験が教訓になった』と思えるが、生徒たちは何年も先にならないとそう思えない。ただ、今までやってきたことが消えるわけではない。そこは伝えていきたい」(山下弘展、小俣勇貴)

話題の記事

スポーツブルアプリアイコン