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香川)夏の夢消え「無念」 選手権中止 球児ら落胆

2020年5月21日09時30分 朝日新聞デジタル

 夏の風物詩がなくなった。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、第102回全国高校野球選手権大会は、香川大会、全国大会ともに中止になった。休校による部活動の自粛中も、甲子園を目指して個別練習に取り組んできた野球部の監督や主将らからは落胆や困惑の声が相次いだ。

 県内最多の20回の夏の甲子園出場を誇り、香川大会連覇を目指していた高松商には20日夕、多くの報道陣が集まった。長尾健司監督(50)は「一言で言えば無念。3年間必死にやってきた子どもたちの夢が絶たれた」と話した。長尾和真主将(3年)はテレビ電話を通じて取材に応じ、「悔しい気持ちでいっぱい」と声をつまらせた。

 昨年の香川大会準優勝の英明の香川純平監督(34)は「生徒の命と安全を守ることが大前提だが、その家族も甲子園のために準備してきた。言葉では言い表せない気持ちだ」とショックを隠しきれなかった。中止になった今春の第92回選抜高校野球大会に18年ぶりに出場予定だった尽誠学園の亀井康宏部長(59)は「3年生には最後の夏なので、なんとか試合できないかと期待していた。もっと時間をかけて議論してもらいたかった。残念だし、子どもたちがかわいそうだ」とこぼした。

 昨年の秋季四国地区高校野球県大会で準優勝を果たし、香川大会初優勝を目指していた大手前高松の吉森智一監督(33)は「目標がなくなり残念。部員たちは絶対優勝すると意気込んでいただけに、これから何を目標にすれば良いのか分からない。明日、テレビ会議システム『Zoom(ズーム)』を使って、部員らと話をして、次の目標を決めたい」と困惑。山下草輔主将(3年)は「気持ち的にしんどい。でもここで終わってしまったら、これまでの努力が無駄になる。次の目標を作りたい」と話した。

 一方、県高野連は20日、今夏に独自の大会を計画していると発表。当初の選手権香川大会の開幕日(7月11日)から10日ほど遅らせての開幕を予定している。開催時期や大会名などは6月5日の理事会で決めるが、無観客での開催となる可能性が高いという。

 鏡原寿吉会長は「多くの球児たちが聖地を目指し、休校中も我慢の日々を過ごしてきたと思う。中止という決定は、あまりにも大きな出来事であり、残念。(独自大会が)少しでも球児たちの励みになれば幸いです」とのコメントを発表。福井博三理事長は選手権大会の中止を受け「残念だが、全国の状況から厳しいと感じていた。仕方ないと思う」。独自大会の開催を目指す理由を「3年生を何もなく引退させたくない。最後の舞台を用意したかった」と述べた。各校からも、選手権大会が中止になったとしても独自大会の開催を望む声が多かったという。

 独自大会については歓迎と困惑の声が上がった。

 高松商の長尾監督は「みんな苦しい思いをしているのに野球をしていいのかという葛藤はあるが、最後の全力を出せる場として、ぜひ開いてもらいたい」。

 英明の香川監督は「甲子園を目標にしてきた気持ちをどう持って行けばいいのか」としつつ「3年生にとって最後の大会ができるのはありがたい」。大手前高松の山下主将は「集大成を披露できる機会を作ってもらえるのはうれしい」と意気込んだ。

 一方、英明の前田大主将(3年)は「甲子園に向けて頑張ってきた。独自大会があっても、どこを目標にしていいのか分からない」と語った。尽誠学園の亀井部長も「どう切り替えて取り組むか、これから生徒たちと話し合って決めたい」と話した。

     ◇

 新型コロナウイルスの影響で、県内各校は3月初旬から臨時休校となり、部活動も自粛。4月に入り一度再開するも、すぐに再び休校になった。以降、部活動として集まっての練習はできていない。だが、部員らは個別に工夫して練習やトレーニングを続け、大会に備えていた。

 多くの学校では、部員や監督らが無料通信アプリ「LINE(ライン)」を使い、それぞれの自宅から毎日のように連絡を取り合った。互いにその日の練習内容を報告したり、自宅でできるトレーニング方法を相談したりした。高松商の長尾主将は大会の開催を信じ、「我慢の時期だが頑張ろう」とメッセージを送るなどして部員を鼓舞し続けた。

 大手前高松や高松中央などはテレビ会議システム「Zoom(ズーム)」を利用。監督やコーチが画面越しにそれぞれの部員の素振りや筋トレを見てアドバイスを伝えるなどした。大手前高松の山下主将は「早く仲間と練習がしたい。守備の連係プレーなど、集まらないとできないことがある」と、部活動の再開を待ち望んでいた。

 新型コロナの感染拡大で予定されていた大会が相次いで中止になり、部員たちは長期間、試合から遠ざかっている。

 尽誠学園の18年ぶりの出場が決まっていた今春の甲子園での第92回選抜高校野球大会は中止に。3月20日に開幕するはずだった春季県大会はいったんは延期となったが、結局、中止が決まった。4月下旬からの春季四国地区大会も中止になった。

 6月からの学校再開とともに部活動の自粛も解除される見通しだ。ただ、夏の選手権大会の中止で、部員たちの大きな目標が失われることになった。(二見咲穂、長妻昭明、平岡春人、木下広大、江湖良二)

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