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履正社に勝ったのに涙した主将 ジンクス終わらせた天理

2020年3月20日10時50分

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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、春の選抜大会の中止が決まった。「夏に向かってがんばってほしい」。奈良県内の高校野球連盟関係者からそんな声が聞こえた。選抜大会に出場予定だった天理、智弁学園の選手たちは、また活躍する姿を見せてほしい。

 この春、天理の下林源太主将(2年)に注目していた。昨秋の近畿大会で7割近い打率を残し、チームは県3位代表から強豪を破って近畿大会を制した。

 近畿の頂点に立っても、下林君は「自分たちは力がない」と繰り返していた。「これまでのキャプテンはチームを引っ張れるだけでなく、技術も高くて偉大な存在だった。主将に選ばれたときは、引け目を感じました」

 下林君が入学時の主将だった太田椋さん(19)は、2018年にオリックスからドラフト1位指名を受けたプロ野球選手。前主将の北野樹君(3年)は攻守で活躍する捕手で、社会人野球の強豪・JR東日本に所属が決まった。

 「自分は同じタイプにはなれないから、違う強みがないといけないと思いました。主将になってなおさら周りから見られることを意識しました」

 グラウンドで人一倍声を出し、練習で自分を追い込む姿勢を崩さなかった。部員の気の抜けたプレーや態度は、遠慮せずに叱った。「気の弱さは言葉にしなくても周りに伝染する」。弱気な姿を見せないよう徹した。

 そんな下林君が唯一グラウンドで涙した試合があった。近畿大会準決勝の履正社戦。試合は5―4で勝利したのになぜだったのか。中村良二監督(51)が教えてくれた。

 「下林はエラーすると、そのあとの打席もうまくいかない。しかも必ず試合に負けるジンクスがあった。他の選手が『下林を勝たせよう』って本当に打って、みんなのおかげで勝てたのがうれしかったんですよ」

 三塁手の下林君は三回、失策を記録。2死二、三塁のピンチを招き、次打者の適時打で2点を先制された。その回を終え、ベンチでは「下林を勝たせてやろう」「(打席を)源太に回そう」と声が飛んだ。

 1点を追う九回裏、2、3番打者が連続でタイムリーを放ち、逆転サヨナラ勝ちを決めた。下林君はサヨナラの走者。ホームに駆け寄ってきた選手を抱きしめ、涙を流していた。

 「個の力は小さいけれど、チームが同じ目標に向かって団結すれば強豪とも戦える」と下林君。自信を深めたチームとともに、夏に挑むつもりだ。(平田瑛美)

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