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挫折、震災、自粛、それでも歌は続く 成底ゆう子が新盤

2020年3月19日13時00分

 高校野球の応援歌としても使われる「ダイナミック琉球」を歌うシンガー・ソングライター成底(なりそこ)ゆう子が、ベストアルバム「ダイナリズム~琉球の風~」を出した。新型コロナウイルスの影響で春の選抜高校野球大会は中止となった。自粛ムードの中だが、どんな時も歌を必要としてくれる人がいると信じて歌い続けたいと語る。

 16曲を収録した新アルバムのタイトルは「ダイナミック琉球」の曲名と「リズム」の意味をかけた。元々は2011年のアルバムでカバーした曲だが、3年ほど前から高校野球の応援歌として火がついた。強豪校の大阪桐蔭や仙台育英などの応援でも歌われ、ミュージックビデオの再生回数は300万回を超えている。

 野球はあまり詳しくないそうだが、この曲をスタンドで聞けるのがうれしくて18年から春夏、甲子園に足を運んできたという。11日に決まった選抜高校野球大会の中止について「子どもたちは出たい思いが強かったと思う。すごく残念」。

 沖縄県石垣島で生まれ、18歳で島を飛び出した。武蔵野音楽大学を卒業し、声楽家を目指してイタリアへ。しかしプレッシャーで、公演前日にまったく歌えなくなった。

 逃げ帰るように帰国し、島に帰ることもできず、あてもなく東京でアルバイト生活を送った。8カ月が過ぎた頃、両親からゴーヤなどを入れた小包が届いた。

 久々に実家に電話すると、苦手だった父親が「お前の歌は世界一。何も心配することはない」と励ましてくれた。「離れて初めて、当たり前だと思っていた世界が、愛にあふれた尊いものだと知りました」。背中を押され、翌日から再び歌えるようになった。

 両親への思いを手紙のようにつづり、メロディーをつけたのが「ふるさとからの声」。この曲で2010年秋にデビューした。

 ところが、翌年の春に東日本大震災が起きた。「自粛ムードになって、新人の私たちは2年くらい満足のいく活動ができなかった。地獄のような日々でした」。どこか自分も「被害者」のような、複雑な思いが渦巻いていた。

 2年後、被災地を初めて訪れた。「空気の中に、怒りや悲しみ、色んな感情が渦巻いているのを肌で感じました」。先が見えなくても、残された人々は生きていかないといけない。現実に打ちのめされながらも、祈りを込めて今回のアルバムに収録した「日和山公園」という歌を書いた。

 震災直後と同じように、今も新型コロナウイルスの影響で思うように音楽活動はできていない。でも、決して悲観はしていないという。「震災のときは、10年後も歌っているなんて思わなかった。応援してくださる方々と、歌が好きという思い、それが奇跡的につながってきた」「どんなときも歌を必要としてくれる人はいる。10年後も、やっぱり歌っているだろうなと思います」と力強く語る。

 今後は「ダイナミック琉球」を超える代表曲を、自分の手で生み出したい。「声楽もやってきたし、民謡のルーツもある。私にしかできない、唯一無二の世界観を確立していきたい」

 大阪市西区の「南堀江knave(ネイブ)」で4月に予定されていたライブは、10月9日午後6時半からに延期となった。キョードーインフォメーション(0570・200・888)。(杢田光)

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