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高野連が模索した1週間の意味 無観客が一転、選抜中止

2020年3月18日09時00分

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 本来なら、19日は第92回選抜高校野球大会の開幕日。甲子園には白球を追う球児たちの姿があったはずだった。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会史上初の中止が決まったのは11日だった。「11日というのは遅かったのでは。決断が延びた理由を」。大会主催者の記者会見で出た質問だ。球児の精神的なダメージを思いやってのものだろう。

 大会会長の丸山昌宏・毎日新聞社社長は答えた。「(4日の時点では)あらゆる対策をまだ尽くせていなかった。大人の責任でやらせてもらった」

 他競技では高校生の全国大会が軒並み中止になっていった。そのなか、選抜高校野球大会の主催者は4日、無観客試合での準備を進めながら、11日まで開催の可能性を模索することを選んだ。

 5日、日本高校野球連盟の事務局にある、普段は予定が書きこまれているホワイトボードから文字が消えていた。ある職員は、感染症対策を仕切り直して最優先に取り組む合図だと受け取ったという。マスクや消毒液の確保にはじまり、濃厚接触を避けるため席間を空けられるような大型の移動用チーム専用バスは、大会期間中に必要な約200台をなんとか用意した。選手が個室に泊まれるよう、宿舎に協力を呼びかけた。

 日本野球機構とサッカーJリーグの新型コロナウイルス対策連絡会議にも急きょ参加。専門家の知見をかき集め、準備を進めた。

 それでも結論は中止だった。「感染症対策はかなりいいものができあがったが、100%のものを作ることは難しい」と日本高野連の八田英二会長。ただ、この「1週間」がなければ、感染症対策において可能なこと、そして課題を把握することはできなかっただろう。

 こんな声もあった。「ここまで前向きに尽くしてくださったことに感謝したい」。選抜に選出されていた仙台育英(宮城)の田中祥都主将の言葉だ。

 甲子園の土を踏み、紫紺の優勝旗を目指すはずだった高校球児の気持ちを思うと、やりきれない。冬の練習の成果を試す場になる春季大会にも、中止など影響が出ている。そして、先には3年生にとって「最後」となる夏の全国選手権大会が控える。

 感染症対策はほかの競技でも手探りが続く。選抜高校野球大会の主催者が模索した対策は他競技でも参考になるはずだ。この「1週間」が、球児だけでなく、大会中止に泣いたすべての高校生の「次の目標」につながると信じたい。(小俣勇貴)

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