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ブルペン回避の佐々木朗 裏にある吉井コーチの苦い経験

2020年2月4日12時11分

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 プロ野球ロッテのドラフト1位ルーキーで、高校最速の163キロを記録した佐々木朗希(岩手・大船渡高)が、1軍の春季キャンプでじっくりと調整している。「いつでもブルペンに入れるようにしている」と意気込むが、首脳陣は体作りを最優先し、ブレーキをかける。なぜか。大リーグでもプレーした吉井理人投手コーチの苦い経験があった。

 4日まで、佐々木のキャンプメニューは、おおむね変わっていない。準備運動やランニングに始まり、キャッチボールとノックで体を温めると、再びキャッチボールが始まる。日によってはグラウンドを変えており、吉井コーチは「高校の良い感覚を取り戻してほしいので、いろんな感覚で投げてもらう」と、土や人工芝で投げさせる。「高校時代の体と、いま、成長している体のギャップがあると思う。それを埋めてもらっている」

 佐々木自身はブルペンで、捕手の後ろに張られたネット越しに先輩が投げ込むのを眺める。吉井コーチは「投手はみんなブルペンに入りたい。そう思うのは普通のこと」と、はやる18歳の心境をおもんぱかる。

 なぜ、本格的な投球に入らないのか。吉井コーチは自身の境遇を明かして、説明した。「僕が周りの先輩たちと同じように飛ばしてしまい、調子を崩してしまったんです」

 1984年、和歌山・箕島高から近鉄バファローズにドラフト2位で入団。佐々木と同じように、高卒で初めてのキャンプを迎えた。まだ、細身の体ながら無理にプロの高いレベルに合わせようとしたため、投球フォームを崩した。本来の投球を取り戻すのに約1年半もかかったという。

 キャンプイン時こそ投球フォームを崩しやすい――。吉井コーチの持論だ。オフに筋肉が増えた一方で、ボールを投げていなかったため感覚にズレが生じているという。佐々木も高3の夏以来、本格的な投球はしていない。「体力が上がって良い状態になっている時に、故障してしまう選手が結構いる。特に若い子が多く、ぼくもそうだった。(けがの離脱は)彼らにとって時間がもったいない」

 5年間プレーした大リーグで先進的な投手の体調管理を経験し、引退後は筑波大大学院で指導理論を学んだ。日本ハムの投手コーチ時代は、ダルビッシュ有や大谷翔平らの指導にかかわった。

 足を胸近くまで高く上げる佐々木の投球フォームを「かっこいい」と繰り返す吉井コーチは、「僕の経験上、足を高く上げる投手の方が良い投手が多い」と評価している。通算奪三振数5714の大リーグ記録を持つノーラン・ライアン、通算354勝を挙げたロジャー・クレメンスらだ。

 けがをせず、太く、長く活躍してほしい――。親心のような思いで、スターの卵の成長を見つめている。(室田賢)

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