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長崎)来春から投球数制限 過渡期の球児、見守りたい

2019年12月29日03時00分

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 「甲子園に出られる可能性があるなら、故障は気にしない」。今夏の第101回全国高校野球選手権長崎大会を勝ち抜き、55チーム57校の頂点に立った海星のエース・柴田蓮人投手の言葉が印象に残っている。

 野球とは縁遠かった私が取材した今夏の高校野球は、投手の投球制限が社会的な話題になった。

 柴田投手の言葉は、大船渡(岩手)のエース佐々木朗希投手が岩手大会決勝に登板せずに敗退したことについて取材したときのものだ。柴田投手は「同じ状況だったら、自分なら投げる」と言い切った。「監督とその投手が納得していても、他の選手の思いはどうなるんだ。みんな甲子園を目指してやってきたのに」

 大げさかもしれないが、そのまっすぐな目つき、迷いのない口調を見て、私は「命を削っているんだ」と感じた。削り落とされたものがきらめいて見えるから、高校野球は人を引き付けるのだ、と。

 だが、その後の人生を顧みない球児の思いを、「感動ドラマ」として消費していいのだろうか。

 大船渡の場合、「故障を避けるため」とした国保陽平監督の判断を「英断」とたたえる声とともに、「なぜ投げさせなかったのか」と批判する声も多く挙がった。それでも、球児には、高校野球を終えたあとの長い人生が待っている。

 日本高野連は来春から、1人の投手の投球数を1週間で500球までとする制限をすべての公式戦で設ける。

 球児たちを取材してきて、その気持ちに近づけば近づくほど、「投げさせたい」「勝ってほしい」と感情的になってしまう自分がいるのが分かる。もし負けてしまったら、甲子園に賭けてきた彼らの気持ちは行き場がないじゃないか、とも思ってしまう。

 それでも私たち大人は、「彼らのためを思えばこそ」と冷静に判断しなければいけない。これまでもルールの制限などから新しい戦術が生まれてきたように、投球制限のもとで圧倒的エースに頼らない野球のスタイルが生まれるはずだ。この過渡期を、見守っていきたい。(弓長理佳)

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