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岐阜)「ミラクルではない」中京学院大中京の進撃を回顧

2019年12月22日03時00分

朝日新聞DIGITAL

 今夏、第101回全国高校野球選手権大会で初の4強入りを果たした中京学院大中京。岐阜大会では、準決勝までの5試合すべてでコールド勝ちを収め、甲子園での準々決勝までの3試合では、七回から始まる逆転劇で全国の高校野球ファンを魅了した。

 「ミラクルではなかった」――。約4カ月前を振り返り、橋本哲也監督はそう話した。七回に始まる攻撃や集中打は、世間から「ミラクル」や「ラッキー7」などと取り沙汰された。だが、橋本監督は「ありえないことや神頼みだったわけではない」と語る。

 原点は昨秋。勝てば選抜出場が濃厚となる東海大会の準決勝で、東邦(愛知)に逆転サヨナラ負けを喫した。「甲子園」が見えかけた矢先の敗北だった。

 指導陣は方針を変えた。それまでエース不後祐将(ゆうま)君(3年)による完投が多かったが、複数投手による継投策に踏み切った。

 冬の期間、臨機応変に対応できる投手の育成に力を入れ、赤塚健利(けんと)君(3年)ら投手陣を強化。練習試合でも交代のタイミングは伝えず、「常に準備しておくこと」を意識させた。「甲子園では不後が先発して試合を作り、継投で他の投手たちが、それぞれ『1打者でも抑える』役割を果たしてくれた」

 今夏の戦いぶりを見ていると、選手たちは劣勢の場面でも諦める様子はなかった。回が進むにつれ、盛り上がるベンチ。その背景に橋本監督は「選手たちの修正能力の高さ」を挙げる。

 「選手たちは打席に立つたび、前打席の凡打を修正してきた。ビハインドの方が色々仕掛けられる。劣勢はマイナスではない」

 チームが唯一、突破口を見つけられなかったのが、準決勝の星稜(石川)戦。全国屈指の右腕、奥川恭伸(やすのぶ)君(3年)=ヤクルト1位指名=を相手に二塁に走者を進められなかった。

 「『低めは捨てろ』と言ったのがミスだった。人間の心理として、見るなと言われると見たくなる。言葉だけが頭に残り、ことごとく低めを振らされていた」

 試合後、お立ち台に上った藤田健斗主将(3年)=阪神5位指名=は涙で声を詰まらせた。「振ったスライダーに完敗でした」。

 準々決勝で逆転満塁本塁打を放った元謙太(げんけんだい)君(2年)が、秋から新チームの主将を務める。3年生はほとんどが、卒業後も野球を続ける予定だという。

 「激動の1年だった」と橋本監督は振り返った。「昨秋の敗北がなければ、夏の4強はなかったかもしれない。今年の夏は、選手たちがあの秋を経験してつかみ取った結果なのです」(松山紫乃)

 ■第101回全国高校野球選手権大会の戦績

2回戦  ○4―3 北照(南北海道)

3回戦  ○9―4 東海大相模(神奈川)

準々決勝 ○6―3 作新学院(栃木)

準決勝  ●0―9 星稜(石川)

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