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秋田)秋田中央、甲子園の苦杯を次のステップに

2019年12月23日03時00分

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 この夏の第101回全国高校野球選手権大会に、秋田代表として秋田中央が出場した。前身の秋田市立高時代以来、45年ぶりの甲子園。初戦で立命館宇治(京都)と対戦し、0―1で敗れた。点差以上に、終始押され気味の苦しい試合展開だった。

 試合直後に沈んだ表情で悔しさをかみしめていた彼らは今、甲子園をどう振り返るのだろうか。約4カ月ぶりに彼らに会いに行った。

 前主将の熊谷郁哉君や、立命館宇治戦に出場した3年生の計6人が、放課後に集まってくれた。自主性を重んじるチームの方針のもと、現役当時から自由な髪形をしていた彼らは、引退した現在もあまり見た目が変わっていない。そして相変わらず仲が良く、にぎやかだった。

 最初に、秋田大会も含めたこの夏の6試合のうち、最も印象に残った試合やプレーを尋ねた。「一気に同点に追いつかれた、相手の三塁打」「あの投手のカーブは打てなかった」と各試合の思い出話が止まらない。試合中の表情やしぐさ、ボールカウントまで覚えているのには驚いた。

 てっきり、秋田大会決勝でサヨナラ勝ちし、甲子園出場を決めた場面を挙げるのだろうと予想していた。だが彼らにとっては、甲子園に至るまでの全てのプレーが大切で、思い入れがあるのだ。

 そんな彼らは、甲子園では何を感じたのだろうか。試合直後にぼうぜんと「甲子園は、やりたいようにできない場所だった」と話していたエースの松平涼平君に、改めて試合のことを尋ねた。

 秋田大会の5試合では、鋭いスライダーを武器に計32回あまりを自責点2に抑えた。安定感が持ち味の松平君の口から出たのは意外な言葉だった。「初めて、投げ方が分からなくなった」

 甲子園のマウンドで一人、「あれ、いつもどうやって投げていたんだろう」と考え続けていたという。「ヒットを打たれても、なぜか安心した」。どんな形であれ、目の前の打者との対決が終わったことに安堵(あんど)する。そう語る松平君に、ほかの5人もうなずいた。

 憧れの舞台は、怖い場所でもあったのだ。そして、その経験を彼らは様々に解釈し、次のステップへの糧として消化していた。

 秋田大会決勝で延長十一回にサヨナラ打を放った斎藤光君は、甲子園最後の打席を思い浮かべる。完璧に捉えたと思った打球は、相手投手の正面に飛んでアウトに。「あのまま、後悔したまま終わりたくない」

 熊谷君は、「小学生のときからめざしてきた夢をかなえられた」という自信に変えた。「これから甲子園よりも大きな夢を持つ」

 6人とも卒業後の進路が決まった。それぞれの大学や就職先で野球を続けるつもりで、今も練習に励んでいる。高校最後の夏に仲間と共有した達成感と悔しさは、大きな強みになるに違いない。(野城千穂)

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