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和歌山)田辺在住・佐山和夫さん 野球殿堂入り候補に

2019年12月14日03時00分

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 和歌山市出身で日米の野球史について多くの著作があるノンフィクション作家・佐山和夫さん(83)=和歌山県田辺市在住=が、2020年野球殿堂入りの特別表彰候補者に選ばれた。

 特別表彰はアマチュアや審判、野球の普及や発展に顕著な貢献をした人が対象。佐山さんは今回、夏の高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」などを作曲した故・古関裕而さんらとともに新たに10人の候補に入った。有識者らで構成する特別表彰委員会(14人)で有効投票の75%以上を得票すれば、殿堂入りが決まる。

 「球歴のトップが『小学生の時のボールボーイ』の候補は僕が初めてと違うかなあ」。野球の資料で埋め尽くされた旧城下町の元英語塾で、佐山さんは笑った。父は旧制和歌山中(現桐蔭高)の教員で、敷地内の官舎から和歌山師範学校付属国民学校へ通った。帰宅すると、全国有数の強豪だった和中の野球部が校庭で練習している。子ども仲間でファウルボール拾いを買って出た。戦時下で物が不足する中、母親がスフ(人造繊維)で、胸に「W」のマークが付いた和中のユニホームを作ってくれた。

 全国中等学校優勝野球大会で2度優勝した和中は、東京六大学に多数の選手を送り出していた。夏冬の休みには後にプロ野球阪急や近鉄の監督を務めた西本幸雄さんらOBが当時の国内最先端の野球を教えに来る。「子ども心に『野球って奥が深いゲームやなあ』と好きになった。それが原点やね」

 田辺高から慶大に進み、会社員や母校の教員を経て、田辺市内で英語塾を開いた。そんなさなかの1982年、「伝説の名投手が死去」という小さな記事に興味をひかれる。渡米して黒人リーグの名投手サチェル・ペイジの業績を調べて書いた「史上最高の投手はだれか」(潮出版社)が評判になり、40代半ばで文筆生活に入る。ペイジについて書いた最新作「2000勝投手はこうして誕生した」(彩流社)まで日米の野球史を中心に50冊以上の本を出してきた。「ただ野球が好きで、黒人リーグという木に登ってみたら、ものすごくたくさんの実があって下りられんようになった」。野球の原型が英国から米国へと伝わる時期の研究は米国でも評価が高い。

 「殿堂入り候補になれたのは、ボールカウントの変更への評価かな」と自身では考える。日本高野連顧問として高校選抜チームと米国遠征した1996年、ボール→ストライクの順でのコールに戸惑う球児を見た。「日本人が善意で野球を教えた国も、国際舞台で困るかもしれん。謝るのは一時の恥。一日も早く直そう」と訴えた。高校野球が97年に道を付け、13年後にはプロ野球も同調した。

 殿堂入りの発表は来年1月14日。「僕は候補になっただけで十分。古関さんが先でしょう」とあっさり受け流す。「野球には国情が表れる。基本に忠実で、フェアプレーや礼儀を重んじる日本の良いところは残す方向にいきたいですね」(大野宏)

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