和歌山)田辺在住・佐山和夫さん 野球殿堂入り候補に
和歌山市出身で日米の野球史について多くの著作があるノンフィクション作家・佐山和夫さん(83)=和歌山県田辺市在住=が、2020年野球殿堂入りの特別表彰候補者に選ばれた。
特別表彰はアマチュアや審判、野球の普及や発展に顕著な貢献をした人が対象。佐山さんは今回、夏の高校野球大会歌「栄冠は君に輝く」などを作曲した故・古関裕而さんらとともに新たに10人の候補に入った。有識者らで構成する特別表彰委員会(14人)で有効投票の75%以上を得票すれば、殿堂入りが決まる。
「球歴のトップが『小学生の時のボールボーイ』の候補は僕が初めてと違うかなあ」。野球の資料で埋め尽くされた旧城下町の元英語塾で、佐山さんは笑った。父は旧制和歌山中(現桐蔭高)の教員で、敷地内の官舎から和歌山師範学校付属国民学校へ通った。帰宅すると、全国有数の強豪だった和中の野球部が校庭で練習している。子ども仲間でファウルボール拾いを買って出た。戦時下で物が不足する中、母親がスフ(人造繊維)で、胸に「W」のマークが付いた和中のユニホームを作ってくれた。