
先発し、八回まで粘り強く投げ抜いた吉川=2019年10月26日午後0時55分、上毛新聞敷島、玉木祥子撮影
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第72回秋季関東地区高校野球大会(関東地区高野連主催)は26日、前橋市で準決勝があり、山梨学院(山梨1位)が桐生第一(群馬1位)を6―5で破り、決勝に進んだ。山梨県勢の決勝進出は1998年の市川以来21年ぶり、山梨学院としては26年ぶり2回目となる。27日の決勝で健大高崎(群馬3位)と対戦する。
■「仲間信じ 我慢強く投げる」 山梨学園・吉川大投手
「点を取られても粘る」。山梨学院の先発、吉川大投手(2年)は自覚する持ち味こそ発揮したが、苦しい投球となった。
三回にスクイズで先制され、追い付いた直後の四回にもスクイズで勝ち越される。六回に再び同点とするが、七回のマウンドは先頭からの3連打で2点を勝ち越された。
直後の八回、1死二、三塁で打席が回った。腰の痛みから打撃練習を控えてきたが、「痛いとか言っている場合じゃない」とスライダーをフルスイングし、中越え適時二塁打に。同点に追い付き、自らを助けた。
しかし、その裏の投球もぴりっとしない。死球や安打で1死満塁とされ、みたびスクイズで勝ち越される。八回まで136球を投げ、被安打11で5失点。九回に仲間の適時打で逆転すると、最終回は河瀬貴洋投手(2年)に託した。
「実力以上のものが出た」という準々決勝の花咲徳栄戦は1失点完投。この日は「正直ギリギリだった」と振り返った。「仲間を信じて投げられた。次も丁寧に、我慢強く投げる」。決勝を見すえ、そう言い聞かせた。(玉木祥子)