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5千人の島、躍る球児 廃部寸前から58年ぶり九州大会

2019年10月19日07時00分

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 長崎県西部に浮かぶ島、大島(同県西海市)で唯一の高校・大崎が19日に佐賀市で開幕する九州地区高校野球大会に1961年以来、58年ぶりに出場する。廃部寸前だった野球部に、指導者を慕う選手が集まり、地域も後押ししてきた。広さ約13平方キロ、人口約5千人の島が、球児の活躍に胸を躍らせている。

 大崎は9月中旬に始まった秋の県大会で躍進した。2、3回戦は無失点でコールド勝ち。接戦の準々決勝をしのぎ、今月5日の準決勝、再びコールド勝ちで九州大会出場の切符をつかんだ。6日の決勝の相手は、春夏5回甲子園出場の強豪・創成館。大崎の選手たちは動じることなく初回に先制、四回の満塁機で1年生の調祐李(しらべゆうり)君が走者一掃の適時打。終盤に2点を許したものの、主導権を渡さず、堂々の頂点に立った。

 「まずは県大会優勝が目標だった。今度は九州で勝たないといけない」。清水央彦(あきひこ)監督(48)は試合後、冷静に先を見据えた。県内の強豪、清峰や佐世保実を甲子園に導いた指導者だ。西海市側から請われる形で市教育委員会の職員となり、18年春から監督としてチームを率いている。

 外部コーチとして大崎に来た17年秋、部員数は1、2年合わせて5人。合同チームを組まないと試合ができない状態だった。だが翌春、清水監督の指導を受けようと県北部を中心に各地から選手が集まった。

 佐世保市からやってきた坂口航大主将(2年)もその一人。「清水先生のもとで野球ができれば甲子園に行けると思った」と言う。現在、部員は1、2年合わせ29人。うち地元の2人を除く27人が寮で生活する。

 清水監督も「支えてくれている地元のためにも甲子園に連れて行く。自分の経験のすべてをつぎ込んできた」と話す。

 九州本土の西彼杵半島と橋で結ばれる大島は、かつて2万人近い人が暮らす産炭地だった。1970年、島の炭鉱が閉鎖。旧大島町の誘致で73年に大島造船所が開業し「造船の町」へと姿を変えたが、人口は減り続け、いまや4分の1だ。

 大崎高の生徒数も現在は114人と、39年前の4分の1だ。平山隆校長(60)は「学校の存続は地域の課題」と話す。そんな中、野球部の躍進は学校と島の希望になっている。

 野球部後援会役員を務める宮本雄介さん(31)は、大島造船所に勤めながら、島で応援機運の盛り上げに熱を入れる。県大会の準決勝、決勝には、島民に加え、同社の「大造ブラスバンド」と大崎の中高吹奏楽部が長崎市内の球場まで駆けつけた。働きかけたのは宮本さんだ。

 応援グッズも作った。人気のタオル(税込み千円)は約800枚が売れた。グッズを届けると、島民から「がんばってね」と励まされる。九州大会に応援に行くと決めている人もいる。宮本さんは「もっと大勢の人に大崎を応援してもらって、スタンドを満員にするのが目標です」と話す。

 清水監督が「地域に恩返しを」と言うと、坂口主将も「地域の方に喜んでもらえるよう、九州大会も勝ち上がりたい」と意気込む。初戦の大分商戦は20日だ。(米田悠一郎)

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