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智弁和歌山5季連続トリオ、姿消す「濃い3年間だった」

2019年8月17日17時37分

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 満員の観衆が見つめた17日、強豪同士の一戦は、智弁和歌山が星稜(石川)にタイブレークでサヨナラ負けした。目指していた19年ぶりの全国制覇は実現できなかった。5季連続で甲子園の土を踏んだ主力の3人は、大会屈指の好投手を攻略できず慣れ親しんだグラウンドを去った。

 左中間席へ白球が飛び込む。十四回裏、2時間51分の熱戦の結末は本塁打。「終わってしまったんだ……」。智弁和歌山の二塁手で主将の黒川史陽君(3年)は守備位置で立ち尽くした。そろって1年夏から甲子園にやって来た遊撃手の西川晋太郎君や捕手の東妻純平君とともに、顔を紅潮させ、涙を流した。

 高校球児が甲子園に出られるのは最大で春夏計5回。荒木大輔(早稲田実)や「KKコンビ」の桑田真澄と清原和博(PL学園)など、5回出場を果たした選手はごくわずかだ。

 黒川君は「最初の3回は先輩に連れてきてもらったから偉業ではない。自分の代は必ず日本一になる」と誓って最後の甲子園と、その頂点をめざしてきた。

 原動力は甲子園の苦い記憶だった。西川君は昨春の東海大相模(神奈川)戦での失策、黒川君はサヨナラ本塁打で敗れた今春の明石商(兵庫)戦での凡退。東妻君は自らのリードで3本塁打を喫した昨夏の近江(滋賀)戦――。

 黒川君の理想は、全員が日本一を目指して厳しく練習に取り組むチーム。だが始動したころは「理想とは言えなかった」と振り返る。個性の強いメンバーが練習に取り組む姿勢を巡って衝突しながら、それぞれが課題を克服しようと鍛錬してきた。

 今大会、チームは初戦から2試合続けて2桁安打と伝統の強打を見せつけてきた。しかし、星稜のエース奥川恭伸君(3年)に3安打23三振と抑え込まれた。六回に同点打を放った西川君は「最後まで球速が落ちていなかった。すごい投手だった」と相手投手をたたえた。マスク越しにサヨナラ本塁打を見届けた東妻君は「一球の大切さを学んだ。すごく濃い3年間だった」と話した。

 グラウンドの土を持ち帰らなかった黒川君は「野球はそんなに甘くないと教えてくれた。甲子園は特別な場所ではない」と前を向いた。さらに上をめざし、練習を続けると決めた。(西岡矩毅)

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