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164センチ、気迫の主将 智弁学園・坂下が全打席出塁

2019年8月12日19時14分

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 49代表校で最後に登場した智弁学園(奈良)は12日、八戸学院光星(青森)に対して一時6点差を逆転する粘りを見せたが、敗れた。劣勢の中、身長164センチの主将の一振りがチームに闘志と勇気をもたらした。

 試合終了のサイレンが響く。智弁学園の坂下翔馬主将(3年)は泥だらけのユニホーム姿で号泣した。「今までやってきたことは無駄じゃなかった」

 六回、この回先頭の坂下主将の打球が一塁手の前で大きく弾む。外野へ転がったのを見逃さず、頭から猛然と二塁へ滑り込んだ。主将の気迫が呼び水となり、この回4長短打などで一挙7点。試合を一時ひっくり返した。

 小柄だがパンチ力に優れ、奈良大会では通算5本塁打で個人記録を更新した。5試合で打率6割8分2厘と打線の軸を担った。「大きい選手も練習しなかったら意味がない。小さくても、自信がつくくらい練習すればいいだけじゃないですか」と胸を張る。「身長が低かったからこそ、人一倍練習しようと思えた」

 とはいえ、中学生の頃は「背が伸びる」とうたうカルシウム入りの粉を牛乳に溶かして飲んだことも。智弁学園に入ると周りとの体格差が歴然だった。そんな坂下主将に、小坂将商(まさあき)監督は「大きいやつには負けるな」と鼓舞した。「自分もそんなに大きくなかったので」。大柄な選手がそろう中、身長173センチの小坂監督は自身を重ねた。

 一つの敗戦が坂下主将を変えた。昨秋の奈良県大会。準々決勝でコールド負けを喫し、2016年から続いた選抜大会への切符を逃した。「このままで終わりたくない」。冬場はひたすらバットを振った。日課は一日1千スイング。打球の強さと飛距離が格段に増し、3年ぶりの夏の甲子園につながった。

 待ちに待った初戦。坂下主将は全打席で出塁し、好守も見せた。試合後は「もっと上の舞台で活躍できるように、この負けを糧にしたい」と涙目で前を向いた。観衆4万3千人の拍手に包まれながら、小さな主将は大きなインパクトを残して甲子園を去った。(佐藤栞)

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