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近江のエース支えた後輩 眠れない夜も「いけるやろ」

2019年8月11日16時46分

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 大会屈指のバッテリーを擁した近江(滋賀)は11日、思わぬ守備の乱れが重なって初戦で姿を消した。好投手を支えたのは、思いのこもった文字だった。

 「笑顔 日本一のバッテリー」。近江の左腕エース林優樹君(3年)はリードされて迎えた試合終盤、帽子を取り、つばの裏の文字に目をやった。苦しい展開が続き気持ちを切り替えたかった。「笑顔でいこう」と最後まで投げきった。

 その字を書いた後輩の荻野空翔(そらと)君(2年)はアルプス席で林君を見つめていた。寮では同部屋。2人とも投手で、一緒に厳しい練習をしてきた。林君は「相棒」と認める。

 荻野君は、保育園の頃から書道を7年間習い、毛筆準6段と硬筆6段を持つ。大会前には、帽子に文字を書いてもらおうと仲間たちから「予約」が殺到する。

 いきなりは書かない。文字のサイズや位置を確認するため紙に下書きする。つばにはペン2本を使い分けて書く。一つ書き上げるまで15~30分。「文字を見て力が湧いてくれれば」。中でも林君の帽子には、強い思いを込めて書いた。

 昨夏の甲子園、林君は準々決勝で金足農(秋田)にサヨナラ2ランスクイズを決められた。その悔しさをバネに18歳以下の日本代表候補となるまで成長を遂げ、チームで一目置かれる存在。マウンドでも強気の投球を見せる。だが、部屋での姿は違っていた。

 「甲子園に行きたい」「明日勝てると思う? 負けたらどうしよう」。林君が不安を口にするのを何度も聞いた。今夏の滋賀大会中も、林君が重圧で眠れない夜にはつきあって「林さんなら大丈夫。いけるやろ」と勇気づけた。

 林君は滋賀大会で26回無失点と本領を発揮した。荻野君は、甲子園ではプレッシャーから解き放たれてほしいと、全国大会を前に帽子に「笑顔」としたためて渡した。尊敬する先輩に最後の甲子園で楽しんでほしかったからだ。初戦の前夜も電話で励ました。

 東海大相模(神奈川)は機動力を使って近江の隙をことごとく突いてきた。「苦しい展開で笑顔は少なかったけど、(投球内容に)悔いはない」と林君。荻野君は「林さんはかっこよかった。僕らが甲子園で借りを返したい」。勝利への執念は受け継がれた。(北川サイラ、森岡みづほ)

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