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打撃マシンなし・無音の練習 海星流で磨いた打力発揮

2019年8月12日17時47分

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 (12日、高校野球 海星3―2聖光学院)

 聖光学院(福島)と対戦した海星(長崎)は12日、「海星流」の練習で磨いてきた打力を発揮し、初戦を突破した。

 1点リードで迎えた六回表。1死走者なしで2ストライクに追い込まれた大串祐貴君(3年)は、内角に来た直球を思い切り振り抜いた。右翼スタンドに入るのを見ると雄たけびを上げながら本塁を踏んだ。

 海星の打撃練習は静かだ。選手たちは黙々とバットを振り込んでいる。グラウンドでは、甲高い金属音が響く以外は、ほぼ無音だ。加藤慶二監督(45)は「声を出すな」と言ったことはないが「声を出せ」と言ったこともないという。

 広島工(広島)の主将として、1992年夏の甲子園で8強入りした加藤監督。そこで感じたのは「甲子園は静かだった」ということ。大歓声が沸き起こるが、打席に入ると聞こえてくるのは自分の足が土を踏む音だけ。「そういう研ぎ澄まされた感覚を、選手たちにも持ってほしい」

 長崎大会1回戦で、強豪の波佐見からチーム最多の4打点を挙げた松尾悠一郎君(同)は「静かだと、来た球をどうやって打ち返すかなど、技術面を考えることだけに集中できる」と手応えを口にする。

 実は、夏の甲子園18回の出場を誇る強豪校の海星には打撃マシンがない。1台あったが2年ほど前に壊れた。加藤監督は「マシンで160キロほどの速球を打つ練習をするべきだが、予算がなくて」と苦笑いする。

 だが選手たちは、マシンがないのを逆手に打撃力を上げてきた。変化球、速球など球種ごとに多い時は四つのブースに分け、打撃投手が投げる球を打つ。

 主将で5番を打つ坂本芽玖理(めぐり)君(3年)は「マシンだと一つの球種しか練習できない。投手がいると1回にいくつもの球種を打てる。生きた球で対応力がついた」と話す。

 この日の聖光学院の先発は、加藤監督の予想どおり、エース左腕の須藤君。福島大会の準決勝、決勝と2試合連続で完封した好投手だ。対戦が決まり、打撃練習では投手をマウンドから一塁寄りの少し前に立たせて投げさせた。ベンチ入りメンバー全員が右投げだったため、こうして左投手の球筋に目を慣らさせた。

 大串君は「投手には、より外角へ角度を付けて投げてもらった。おかげで実際の左投手の球に、打ちにくさは感じなかった」と話す。マシンを使わない練習については「マシンで再現しづらい、ゆるい変化球への練習もできる」と言う。

 事前に須藤君の映像を見たときに「外角へのゆるいスライダーやカーブでタイミングをずらしてくる」と考え、練習で投げて対策を練ってきた。この日、実際に甲子園の打席に立つと「直球がよく走ってるな」と思い、狙い球を変えた。

 加藤監督の言う「甲子園の静けさ」についても、実感できたという大串君。「打席に立つとあまり声援が聞こえないですね。緊張とかではなく、集中している感覚かな」と話し、「次の試合も集中し、自分の一打でチームを勝利に導きたいです」と意気込んだ。(弓長理佳)

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