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「まさか」あるからおもしろい 元球児の阿部サダヲさん

2019年8月11日18時31分

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 ■俳優・阿部サダヲさん

 外野までお客さんがいっぱいだ。さすが東海大相模と近江の好カード。満員の劇場で公演した経験はありますが、これはすごい。見ていてワクワクします。

 試合前のノックを見るのが好きなんです。僕も地元・千葉の公立高校で甲子園を目指す高校球児でした。サードだったんで、大抵一番最初にノックを受けました。甲子園に来る選手たちだから当たり前なんでしょうけど、やっぱりみんな、うまいなあ。

 高校最後の試合は、今でも覚えています。僕は友達から阿部の「べー」って呼ばれていたんですが、応援に来た友達が、スタンドから「べー、何かやれ!」って言うんですよ。ガクッとくるでしょう? 最初の打席は初球でキャッチャーフライでした。

 ともにテンポよく試合に入りましたが、四回、守備がほころんだ近江が先取点を奪われました。普段は堅守のチームなんですね。大舞台で「まさか」が起こってしまいましたが、エースの林君は動揺を見せずに投げ続けている。

 逆に東海大相模は、序盤から走って走って、できることをやって、流れを呼び込んだように見えます。意表をついたり、何かをしかけたりする野球って、僕は好きですね。

 高校時代、「声にスランプはない」と教えられ、常に声を張り上げているような選手でした。できることを探して工夫を重ねる。僕の高校野球は、その繰り返しでした。

 六回、近江に五つ目のエラー。僕だったら、こんなときは集合をかけるかな。集まって、話すことがなくても、口にグラブをあてて、重要な作戦を話すようなふりをするかもしれません。落ち着きを取り戻しながら、あわよくば相手の不安をあおる心理戦をしかけるためにです。

 役者になってからも工夫の毎日です。例えば、エキストラの人たちに話しかけることはよくします。現場の雰囲気もよくなるし、思わぬリアクションをする人を見て、僕も学べるからです。そのせいか、「演技派」とか「本格派」とかって言われるよりも、「個性派」って言われる方が、僕はうれしいです。

 八回、逆に東海大相模の守備が乱れて、近江に流れがきた。うわあ、会場中に手拍子が湧き起こっている。押し出しだ! 今度は東海大相模に「まさか」が起こりました。

 高校野球も、人生も、「まさか」が起こることがある。でも僕は思います。台本にないことが起こるからこそ、おもしろいんだって。やっぱり高校野球は、ドラマがあるなあ。(構成・高岡佐也子)

     ◇

 あべ・さだを 1970年生まれ、千葉県出身。49歳。NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」では、64年の東京五輪招致に携わった田畑政治役で主演。

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